次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■リリカル・クロニクル =世界の終わりに悪魔と竜は戯れる= 序章 03
2010/03/08 Monリリカル・クロニクル
 第二次世界大戦の歴史の裏に埋もれた1つの戦争がある。それは異なる「概念」を持つ11世界が起こした戦争…。『概念戦争』。
 地球は「Low-G」と呼ばれている。何故「最低」と称されるのかは後に語ろう。
 「Low-G」と違うその他の世界は1から10までの番号が与えられた世界となる。その11世界はLow-Gを中心に一定周期でその周囲を旋回していたのだ。
 だがそれは覆されてしまった。1999年にその全てのGの周期が重なり、最も多くの概念を持つGのみが残り、その他のGは衝突の際の衝撃で崩壊することが判明する。
 それを知ったそれぞれのGが他のGに侵攻し概念を奪い合う戦争が勃発した。故にこの戦争は『概念戦争』と呼ばれている。
 そして勝者は…Low-Gであった。先ほど言った通り、この11世界はそれぞれ自らの世界特有の「概念」を持っていた。
 そして「Low-G」が「最低の世界」と称された理由はここにある。Low-Gの概念。それは「マイナス概念」と呼ばれており、何ら長所の持たない概念と言われている。なおマイナス概念に対して他の世界の持つ概念は「プラス概念」と呼ばれている。
 概念戦争終了後。他のGの生き残りをLow-Gは保護していった。だがその保護下に入る事を拒んだ者もいたが、これでこの戦争はLow-Gの勝利に終わった…。





     ●





 これが概念戦争に関する経緯である、と佐山はここで説明を終わらせた。
 なのはは沈黙していた。佐山に聞かされた概念戦争の経緯。異世界があった事はそう驚く事は無かった。現にミッドチルダという異世界との交流を果たしているのだから。物理法則が違う、というのには驚かされたが。
 だが驚きはむしろこの世界が裏で他の世界を侵略し、滅ぼしたという事。信じられないような事実。なのはは一度大きく息を吐き出し、もう一度大きく吸ってから佐山へと視線を向ける。


「…あの佐山さん」
「何かね? 高町君」
「概念戦争がどういう物かわかりました。…だけど、これと私がその先ほど言った3rd-Gの自動人形というのに襲われる理由がありません」


 そうなのだ。いくら概念戦争という戦争があったという所で自らが狙われる理由を見いだす事は出来ない、と。


「ふむ。それについてはまだ話が続くのだがよろしいかね? 君はIAIを知っているかね?」
「あの総合企業の…ですか?」


 なのはの脳裏に浮かぶのは、テレビなどでよく見かけるCM。他のCMと比べるとインパクトが強い…悪く言えば変なCMが思い出される。
 確か…「まろ茶」だかのCMだったか。…あれ? そういえば、あの表紙の人って新庄さんに似てたような…? となのはは思い出しながら思う。思い出せず、気のせいか、という事で流したが。


「実はIAIには裏の顔があってね。UCATという組織だ。私達はそれに属しているのだよ」
「…UCAT?」
「UCATはLow-Gに移住してきた他のGとの者達に対応する為の組織でね。元々は出雲航空技研であったのが、護国課という課を作り上げてね」
「護国課?」
「うむ。この衣笠書庫を創立した「衣笠天恭」が提示した「神州世界対応論」を遂行する為に作られた課でね」
「「神州世界対応論」?」
「衣笠天恭が提唱した理論でね。「日本は世界の地形と対応する、世界全体の地脈の中心である。各国の地脈をそれと対応した日本の地脈と接続、そして日本側の地脈を活性化させれば接続先の国の地脈の活性化につながり、世界全体の情勢を左右出来る」という理論だ」
「そ、そんな無茶苦茶な…」
「まぁ。ぶっちゃければこんな話どうでも良い」
「は? どうでも良いんですか!?」


 なんか壮大そうな話だったが故に、スルーされる事に驚いたなのはは突っ込みを入れる。が、佐山はそれを気にした様子もなく、そうだ、と頷いた。


「大事なのはむしろここからだ。その護国課に属していたメンバーなのだが…それが当時起きていた「概念戦争」の第一発見者なのだよ」
「えっ!?」
「そして、護国課は当時のUCATに吸収という形でUCATの面目を保ちながら協力し、日本UCATを創立した。そして日本UCATが中心となり、概念戦争を勝利に導いた。そしてその10のGを滅ぼした者達8人を「八大竜王」と呼んでいる」
「八大竜王…」
「そして、戦後はUCATが他Gの生存者を保護しているというわけだ。だが、現在ある問題が発生していてね」
「…ある問題?」
「Low-Gのマイナス概念の活性化により…今世界は滅びの危機を迎えている。その滅びを回避する為にはかつて滅びた10世界の概念の力が必要でね。その概念を扱わせて貰えるよう交渉する為にUCATは1つの部隊を発足した。「全竜交渉部隊(チームレヴァイアサン)」と呼ばれる部隊…そして、私達がその「全竜交渉部隊」だ」


 なのはは思わず、その場にいたメンバーを見渡す。今、滅びようとしている世界を救おうとしている部隊…それに属する人達。知らず知らず、なのはの手に力が篭もっていた。なのははそれに気づかない。誰も気づかないまま佐山が話を続ける。


「現在、私達は1stから6ht、そして10thとの交渉を終えている。残るは後3世界。これが全竜交渉部隊の状況だ。さて、そこで話は君を襲撃して来た者についてなのだが…」


 話が自分の物へと変わり、改めて佐山と視線を合わせるなのは。それに佐山が1つ頷いてから。


「君を襲ってきた者は3rd-Gで開発された「自動人形」と呼ばれる者だ。文字通り、自ら意志を持ち、生きた人形と言っても良い」
「はぁ…? それで、何故その自動人形が私を襲ってきたんでしょうか?」
「わからない。が、UCAT、つまり私達と敵対組織かもしれない、という可能性はある」
「…全竜交渉部隊と、つまりUCATと対立する組織が私を狙ったって事ですか?」
「可能性としてあり得る、という段階だがね。犯人像があまりにも不鮮明過ぎるのでね。だが君が狙われているという事実は変わらない。そこで…しばらく君をUCATの保護下に入って貰おうと思うのだが、どうかね?」


 佐山はなのはに提案を持ちかける。なのはは考え込むように少し顔を俯かせる。確かに狙われている、しかも犯人が不明、となるとそのまままた日常に戻るのは危険かもしれない。


(…私一人でどうにかなるってわけじゃないしね。この人たちに迷惑はかけられないし…もし私が捕まったらこの人たちに迷惑をかける可能性がある)


 ここで思う。いざとなれば事情を説明してミッドチルダに逃げ込めば良いかもしれない。そうすればこちらの世界の問題には関わらないで済むかもしれない。今の所、どうやらミッドチルダの存在は確認されてはいないのだから。
 だけど、となのはは思う。それは嫌だ、と。何が嫌なのかとなのはは思う。まずはミッドチルダ自体に行きたくない。魔導師であれない自分がそこにいるのは抵抗があるし、ミッドチルダに住む理由も話さなくてはならない。
 親友であるフェイトの養母、リンディに話を通せば良いかもしれない。だが、フェイトは、親友は恐らく感づくだろう。それが嫌だ。


(…フェイトちゃんや、はやてちゃん達と…関わりたくない)


 ここにいる経緯も皆と顔を合わせるのが嫌だったからだ。どうしようもなく逃げたくなって、そしてここにいる。どうせなら、UCATに保護されて誰にも会わないようにすれば良い。そうすれば確実に会わないで済む。こちらに会いにさえ来なければ。いや、来たとしてもUCATの存在を表に出すわけにもいかない。フェイト達は恐らく関われない。


(それに知ってしまった)


 世界が滅ぶとまで言われた。そんな自体を目を逸らしたくなかった。帰りたくも無い。見届けてみたいと。様々な思いがなのはの胸を過ぎり、様々な考えが浮かんでは消えていく。幾度もそれを繰り返し、ようやく考えが纏まったのか、ゆっくりとなのはは顔を上げて佐山を見つめた。


「あの、じゃあお願いしても良いでしょうか」
「なに、こちらから提案した事だ。かまわないよ」
「あ、あの、その、せめて両親と連絡をしておきたいんですけど…」


 せめて。せめてお父さんとお母さんだけには、帰れないと伝えたかった。心配はかけさせてしまうが行方不明、生死不明よりはマシだろう、と。帰ったらよっぽど怒られそうだが。それを聞いて佐山はわかった、と返答して頷いた。


「交渉の方は私がどうにかしよう。安心してくれたまえ。…ところで高町君。君は何故自分が襲撃されたか心当たりは無いかね?」


 突然の佐山の問いかけになのはは首を振る。自分は概念戦争なんて今の今、知ったのだ。関わりなんて無い筈なのだが…。
 脳裏に過ぎるのはあの侍女が告げた伝言。なのはは自然とそれを口ずさんでいた。

「…「御神の罪に断罪を…」…って、伝言を伝えられました」
「御神?」


 なのはの言葉に声を挙げたのは飛場だ。一瞬にして飛場の方へと視線が向く。その集中した視線に飛場は戸惑ったような顔を浮かべる。隣にいた美影が飛場の顔を見つめながら疑問を投げかける。


「リュージ君。知ってるの?」
「いや。どこかで聞いた覚えがあるなと。あれぇ…? 気のせいかな?」
「何よ飛場。…まさかアンタ、美影という者がありながらなのはちゃんの気を引こうって魂胆じゃなかろうねっ!?」
「どぅぇぇええええっっ!? な、なんですか急に!? ち、違いますよっ!?」


 風見の訴えに飛場がブンブン、と超高速で首を振りながら否定の声を挙げる。だが美影となのはを除いた周囲の視線は飛場を冷ややかな目で見つめている。


「飛場少年…。見損なったよ」


 佐山が心底呆れたように言い、残念そうに首を振る。


「…最低だよ。飛場君」


 汚物を見るかのような視線を飛場に向ける新庄。


「…まさか、女の子だったらなんでも良いんだ」


 ふぅん、と呟きながら絶対零度の視線を送る風見。


「…さすがにそれはねぇな飛場。見境が無いのは最低だぜ変態野郎」


 腕を組みながら見下すように飛場を見下ろす出雲。


「さ、最低ですのっ!! 犯罪者ですのっ!! ロリペド浮気野郎なのですのっ!!」


 寄るな。と言わんばかりに手をシッシッシ、と振っているヒオ。口調も悪くなってる。


「ヒオ・サンダーソン。俺を盾にするな。飛場菌が移る。犯罪者の菌などに取り憑かれたくない」


 完全無視の態勢の原川。だがその背が飛場に語る。犯罪者、と。その反応を受けて飛場は渾身の力を込めて叫ぶ。


「僕はっ、美影さん一筋だぁあああああああああああっっっ!!!」





     ●





「…なんか、今日は色々あったなぁ…」


 ぽすん、とベッドの上にダイブしながらなのはは呟きを零した。あの衣笠書庫での話し合いの後、なのははUCATに案内され、一つの部屋を宛がわれた。この部屋はUCATの居住区の中にある部屋の一つ。本来は仕事や残業で家に帰れず、借り家としてある部屋だ。
 何故か仮眠室であった筈のこの部屋は少女チックな内装になっていてなのはは思わず驚いた。この部屋をセッティングしてくれたというUCAT局員達がサムズアップして良い笑顔だったのは思わず脳裏に残ってしまう程のインパクトがあった。
 それはさておき、なのはは今日あった出来事の一つ一つを思い出していく。家出した事、その先で侍女に襲われたこと、佐山達との出会い。そして…。


「……全竜交渉…世界の終わり…概念戦争…」


 今日の話を思い出すと、壮大すぎて逆に現実感が無い。これは夢なのかもしれない。そう思ってしまう。だが、身体に残る痛みや、心臓の鼓動の音はそれを夢じゃないという事を知らせてくれる。
 暫し考え事をしていたなのはだったが、段々と眠気が襲ってきたのを感じる。今日は色々あって疲れたからだろう。そしてなのははそのまま眠気に抗う事無く、ゆっくりとその瞳を閉じた。





     ●





 夢を見ていた。
 空から墜ちる夢だ。手を伸ばしても、届かなかった空がドンドンと遠くなっていく。身体が重い。痛みもある。だが、なのに気持ち悪いぐらい意識がはっきりとしていて、それが夢だと自覚させる。これだけ重いのに、痛いのに、意識だけがはっきりとしているなんて。
 そして、地に叩き付けられるのと同時に、全ての感覚がシャットダウンされた。
 下手をすれば、死んでいたかもしれない。脳裏を過ぎった声に、私はただ悲鳴を上げるしか出来なかった。それすら聞こえないというのに。


「―――あぁああああああっ!! あぁぁ………ぁ…?」


 叫びながら瞳を開かせ、身体を起こす。だが、段々とその悲鳴は収まり、なのはは部屋を見渡す。先ほどまで無かった感覚がハッキリと感じられる。自分は冷たい床に転がっている。視線を横にずらせば、ベッドがあり、乱れた布団が自分の隣に落ちていた。
 一瞬、寝ぼけた頭が状況を把握出来ない。ここはどこなのだろうか? と視線を伺わせて見る。そこで、扉の隙間から見える幾多の目を見た。一瞬、動きが止まる。誰か思いっきり見てる…?


「きゃぁあああああああああああっっっ!!!」


 こうして、高町なのはの朝は騒がしく始まりを迎えるのであった。
 衝撃的な朝の目覚めから数分後。なのはは心臓に悪い思いをしつつも、眼が覚めて動き出していた。仮眠室に備え付けられている洗面所で顔を洗い、歯を磨く。髪をセットすれば洗面所を後にし、着替えが入っていると教えられたクローゼットを開けた。


「……うわぁ」


 思わずそんな声が漏れた。そこにあった衣服は、もうまさに可愛い! と言うような衣装が所狭しと並べられていた。着せ替え人形の服のようにも思えてきてなのははその場に崩れ落ちそうだった。


「…何なんだろう。ここの人たちって…」


 そんな疑問を思いながらもなのはは内心、固い決意を固める。服は自分でどうにかしよう、と。しかし、とりあえずはここにある服を選ばなければいけない。そんな現実から目を逸らしたかったなのはは大きな溜息を吐き出す。
 結局、地味そうなスカートとシャツとカーディガンを纏って軽く身だしなみを整える。そうしていると扉がノックされる音が響いた。誰だろう? と思いながら扉の方まで歩いていく。誰ですか? と問うと、扉の向こう側から声が聞こえてきた。


「高町なのは様。ご起床されておられますでしょうか?」


 聞こえたのは女性の声だった。それになのはは若干安堵の息を漏らす。…ここに来てなんだか男性に対して苦手意識が植え付けられそうで怖いな、と思いながらなのはは返事をして扉を開けた。


「お、おはようございます」
「おはようございます。失礼してもよろしいでしょうか?」


 扉が開けばそこには侍女が立っていた。一瞬、昨日であった侍女の事を思い出すが、あの侍女とは容姿が違う。一瞬息を呑んだが、すぐに平静を取り戻す。これが恐らく佐山の言っていた自動人形なのだろう、と。


「大丈夫です」
「Tes.では失礼いたします」


 なのはの返答を聞けば侍女はすぐに小さく頭を下げた後、部屋へと入り、後ろ手で扉を閉め、改めてなのはと向かい合う。そしてぺこり、と一礼。


「高町なのは様。私は43号と言います。以後、お見知りおきを」
「よ、43号?」
「Tes.私は3rd-Gの自動人形です。貴方様のお世話を命じられました。以後よろしくお願いいたします」
「は、はぁ…」


 名前が数字という事で明らかな戸惑いを覚えるなのは。それに人間とは違うんだな、とどこか漠然と思う。しかし昨日出会ったあの自動人形より怖くは無いと感じる。恐らくそれは表情だろう。
 確かに43号と名乗った彼女は無表情のように見えるが、昨日出会ったあの侍女よりも冷たくはない。それに身体の力が抜けるのを感じた。緊張していたのか、と思うと苦笑がこみ上げてくる。


「高町なのは様。よろしいでしょうか。本日の予定をご確認しますが、よろしいでしょうか?」
「あ、はい。お願いします」
「Tes.これからまず高町様には趙医務室室長に診察を受けていただきます」
「し、診察ですか?」
「Tes.新庄様がご依頼されておりました。お怪我をなさられてた、と心配なさっておいででしたので」
「新庄さんが…」


 怪我の事を気にしてくれてたんだ、と思うと、ちょっと申し訳ないような、有り難いような気がする。あとで会ったらお礼を言っておこう。そう思い、なのはは笑みを零した。


「それでは参りましょう。高町様」
「あ、はい。お願いします」


 ペコッ、と43号に頭を下げてから、なのはは43号に案内されるまま、医務室へと向かうのであった。


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