次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 最終話 Bpart
2010/02/28 SunOnly One Flowers
Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 最終話「すみれ -Bpart-」





 太陽が温かい日差しを照らしている。空は青く雲が穏やかに流れていく。
 その空の下、ミッドチルダの一画に一人の少女が歩いていく。長く伸ばした栗色の髪。ポニーテイルにしたその髪が少女の歩みと共に揺れる。
 纏った服は白のYシャツにジーパンと言ったラフな格好。その手には小さめな花束が携えられている。少女はそのままミッドチルダの街並みを歩いていく。ふと、見渡せばそこには色々な人がいる。
 今日はミッドチルダは休日。友達と遊びに行くのか、子供が数名固まりながら歩いていく姿が見える。視線を逸らせば、腕を組み、仲が良さそうに歩いていく青年と女性の姿が見える。
 他にも休日出勤に向かう大人や、親に手を引かれ歩いていく子供の姿もまた見える。それに少女は小さく笑みを零しながら目的の場所へと向かっていく。
 暫く歩を進めると少女は町外れの方へと出て行った。街から離れると、ちらほらと自然が多くなってくる。豊かに生い茂る緑色の草むら。その中で、ふと見れば虫達がせわしなく動き回っている。
 視線を上げればそこには雄々しくその枝を伸ばす樹木が見える。その樹木に止まる小鳥達。歌を歌うかのように鳴き声を上げながら、その小さな翼を広げて空へと飛んでいく。
 足を止めて飛んでいく鳥たちの行く先を見つめてから、少女は小さく笑みを零した。小鳥達が見えなくなった後、少女は再び歩を進めていく。
 少女の目の前に階段が見えた。そこを上がれば少女の目的地があるのだ。少女は少し歩む歩調を早め、階段の前へとやってきた。
 一段一段…しっかりと踏みしめながら階段を昇っていく。階段はそう長い物でもなくすぐに終わった。階段を上りきったその先に広がるのは…墓地であった。
 故人の名前を刻んだ墓石が立ち並び、お墓の前にはお供え物があったり、花束が添えられてたり、または何もなかったりと様々だ。
 良く見れば墓石の形や色も、違ったりする物もある。改めてその様子を観察しながら少女は自分の探す墓石を探す。少し歩き回った後。少女はようやく目的の墓石を見つける事が出来た。ほっ、と小さく安堵の息を吐いてから、お墓の前に立つ。そっと墓石に手を伸ばして、墓石に刻まれた名をなぞった。そこに刻まれた名は…「アネモネ」。


「…1年…経ったよ。アネモネ」


 そう言って、少女、すみれは笑みを浮かべるのであった。彼女は墓前に花束を添えて、その場に腰を下ろした。


「私ね…高町家に入ったんだ。だから、今はね…高町すみれになったんだ」


 すみれは嬉しそうに笑いながら墓石に語りかける。


「えっとね。それでね、なのはお姉ちゃん、って呼ぶようになったんだ。なんか末っ子だったからそう呼ばれると嬉しいんだって。おかしいよね」


 すみれが高町家に入り、なのはがそう呼ぶようにお願いした所、すみれはそれを素直に了承し、なのはが歓喜で小躍りしたという。
 尚、証言者は高町すみれ、高町ヴィヴィオ、アイナ・トライトンの3名である。


「あと…後見人には、フェイト姉さんがなってくれたよ。ママみたいな物だ、ってヴィヴィオが言うから…私も、姉さん、って呼んでる」


 ヴィヴィオがなのはママ、とフェイトママ、と呼ぶ理由を尋ねた所、昔、機動六課にいた頃にそう言われた為に、すみれもそうした方が良いかな、と思いそうした。
 その際に、フェイトに酷く狼狽されたのをすみれは覚えている。その後、フェイトも「そっちの方が良い」との事で、このまま姉さん、と呼んでいる。


「年上の人には…さん付けしろ、ってはやてさんが言うんだ。でもさ、ヴィータさんって見た目が年下で…でも呼ばなかったらグラーフアイゼンを持って追いかけてくるんだよ? 酷いよね。シグナムさんもザフィーラさんもその時無視するし…シャマルさんは役に経たないし、リインとアギトは煽るし…」


 そこで思い出した、と言うようにすみれは頬を膨らませて。


「それでね、はやてさんったら酷いんだよ。「アネモネにやられた古傷疼くわー、慰謝料貰おうかー」って…それでなんか着せ替えさせられるんだよね…後、胸触ってくるし」


 不満そうにはやての顔を思い出しながらすみれは告げて。


「あ、さん付けしろ、って言われたけど…ティアナは、普通にティアナで呼んでるよ。もしくはティア。なんか今更だ、って言われちゃってさ…。それで、スバルさんに良く「私も呼び捨てで良いのに」って言われるんだけど、どうしたら良いんだろうね…」


 すみれは本気で困ったような表情をしながら、乾いた笑いを漏らして。


「後ね、エリオとキャロと友達になったよ。最初はちょっとぎこちなかったけど…今だったらたまに一緒にお買い物とか行くよ。キャロと。エリオとは…一緒に訓練したり。後、ルーテシア・アルピーノって子を紹介されたんだ」


 3人の友達の顔を思い出しながら、すみれは笑って。


「後…地球に行ったよ。なのはお姉ちゃんの故郷。そこでなのはお姉ちゃんの友達のアリサさんとすずかさんって人に会ったよ。最初は凄く驚かれたよ。その後でね、父さんとお母さん…あぁ、高町士郎と、高町桃子、って言うだけどね。その2人にも…ちゃんと受け入れて貰った。後、もう1人お姉ちゃんがいたんだ。美由希お姉ちゃん。眼鏡つけて、三つ編みなんだ」


 思いつく限りの事を、すみれは呟いていく。大事な思い出を語る彼女の姿は、とても微笑ましい物だ。


「…今度、学校に行こうと思ってるんだ。今まで…色々迷いながら、ずっと、家に引き籠もってたんだけどね。ヴィヴィオに良く怒られたよ」


 あはは、と苦笑を浮かべながら言うすみれ。当時のヴィヴィオはそれはもう、怖かった、と。


「…1年で…たった1年で…色々あったよ」


 まだ語り切れてない。まだ全然だ。まだまだ、もっと、もっともっと言いたい事がある。
 だけどそれは上手い具合に言葉にならなくて、沈黙に変わってしまう。墓地に穏やかな風が吹いていく。その風がすみれのポニーテイルを揺らしていく。


「…アネモネ…」


 墓石に刻まれた彼女の名を呼ぶ。そっと、胸を撫でて。


「…あの時、言えなかったけど…今なら、ちゃんと言えるよ。1年かかったけど…聞いて欲しいんだ」


 空を見上げながらすみれは小さな声で…呟いた。


「…サヨナラ、アネモネ…。私はもう歩いていけるから。だから心配しないで」


 そう言って微笑みを浮かべてすみれは立ち上がろうとした。そのすみれに、横から、スッ、と差しのばされた手があった。その手の先を見ると…そこには栗色の髪をサイドポニーにした女性が立っていた。


「…なのはお姉ちゃん…?」
「…ふふ、一人で行っちゃうなんて、薄情だね、すみれ」
「そーだよっ!」
「ヴィヴィオも…? 何で?」


 なのはの後ろでヴィヴィオが、私怒ってます、という顔でこちらを睨んでくる。睨まれても可愛く見えてしまうので、とりあえず怖くは無いなぁ、と思いながら、どうしてここに2人がいるのかと問いかける。
 そんなすみれになのはは笑みを浮かべて。先に立て、と言うようにすみれの手を握って立たせる。すみれがやや驚きながらも立たされて。


「良いでしょ? 何でもさ」
「それになのはとヴィヴィオだけじゃないしね?」
「…フェイト姉さん!?」


 なのはの後ろ側から顔を出した金髪の女性、フェイトにすみれは驚く。だが、更に驚く事にその後ろから茶髪の女性が顔を出して。


「私等もいるでー?」
「はやてさん…」
「おぅ。アタシ等だよ」
「ヴィータさん達まで…」

 はやての後ろには八神家の面々が立っていた。思わず呆然、としていると、ティアナとスバル、エリオとキャロまでも顔を出して。


「な、何で?」
「まぁ…良いじゃない?」
「そうそう」
「細かい事、気にしちゃ駄目だよ?」
「正確には、ティアナさんとフェイトさんに誘われたからなんだけどね…」


 ティアナが悪戯っぽい笑みを浮かべて、スバルがそれに同意するよに腕を組みながら頷いて。キャロがクスクスと笑いながら唇にそっと手を添える。エリオが少し遠慮しがちに頭を掻いて。


「まぁ…それはともかく、はい」
「…これ、花束?」


 驚いた様子のすみれに若干呆れたような表情をなのはは浮かべた後、すみれにそっと花束を差し出して、それにすみれは戸惑ったようになのはを見た。
 見上げるすみれの頭を撫でて。


「アネモネに、ね?」
「…え?」
「何となく花添えたい気分やったんよ。まぁ、気持ち程度に受け取ってやー」
「皆で少しお金出して買ったんだ」


 その言葉にすみれは渡された花束を見て涙が込み上げて来た。アネモネはあれだけ酷い事をした。許されないだろう事をした。だけど…それでもこうして皆は、花を持ってきてくれた。
 許して良いの? と、問うのは無粋だろう。すみれは、こみ上げてくる涙を拭って、皆に満面の笑顔を浮かべて。


「ありがとう…皆、ありがとうっ!!」





 風が花びらを攫っていく。そのまま、花びらを乗せながら風は、高く、高く…天へと昇っていく…。






 END……。
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