次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第20話 Apart
2010/02/28 SunOnly One Flowers
「制御…不能だと?」


 ジーク・インプレッサは先ほどまで狂喜に歪めていた顔を驚愕に変化させていた。
 その原因は管制人格が消滅した事により、制御するプログラムが破損してしまったのだ。バックアップすら破壊され、残されたのは、ただ暴走する力の固まりだけになってしまった。


「…何故だ…? 何故管制人格が…アネモネが消滅した…?」


 理解が出来ない、と言った様子でジークは呟き続ける。夢見た「最強」はどこへ行ったのか。ただそれだけを自分に問いかけながら…。




Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第20話「弔いの叫び -Apart-」




 眼前で吠える巨大な獣。多種多様な生物が混ざり合って出来た不気味な生物。いや、生物とは言えない「何か」。それを見てティアナは身を震わせた。おぞましい、と。


「何だってのよっ…!?」


 意味がわからない。それが彼女の正直な心境だ。すみれとアネモネがユニゾンで融合して、その融合した少女と戦っていたら、急にすみれが出てきて、あんな化け物が出てくる。 状況が目まぐるしく移り変わる所為で、ティアナも現時逃避したい程までに、この状況を理解する事が出来ない。その時だ。獣が咆哮を止め、今度はただ「吠える」のではなく、何かを呟きだした。


「ニクイ…コワイ…シ…イヤ…コロス…イキル…」


 それは呪詛だ。ティアナはその言葉を聞いて背筋が震えた。それは暗い負の思いだ。一体コイツは何なのか、と呆然と見上げていると、化け物の背後から触手が伸び、ティアナを地に叩き付けようと迫った。
 呆然としていたティアナは、反応が遅れ、逃げる事が出来ない。当たる、と思った瞬間だ。


「ティアナ! 下がってッ!!」


 それは誰かの声。その声と共に触手が白桃色の魔力砲によって吹き飛ばされる。思わず呆然とする。ティアナが振り返ると、そこにはフェイトを支え、掌をこちらに向けているすみれの姿がある。


「早くッ! フェイトを連れて下がって!!」


 呆然とするティアナに向けてすみれは叫び続ける。ティアナはそこでようやく気を取り戻し、すみれとフェイトの方へと走り出した。その際、触手が何度も向かってくるが、すみれの魔力弾によって牽制され、ティアナに当たる事は無い。ティアナは2人の下に辿り着き、怪しむようにすみれを見た。


「アンタ…どうして声…」
「後にして。それより、フェイトを連れて下がって。ここにいたら危ない」
「で、でもあの化け物どうすんのよっ!?」


 どうやら、どうしてすみれの声が出るようになったのか、その疑問にすみれは答えてくれないようだ。確かにその問答をしている時間が無いのは事実だが。
 すみれが撤退を勧めるのもわかる。フェイトのダメージが酷すぎる。ここは一度退くべきだろう。だが、そうしてしまえばあの化け物はどうしするのか、と。
 それにすみれは、フェイトをティアナに預ける。手を自らの首にぶら下げていた赤い宝玉の付いたタグ、待機状態のハルバードへと伸ばし、強く握って。


「…私がやる」
「はぁっ!? あ、あんた一人で!?」
「大丈夫。行ける。だから、ちょっと下がってて…」


 そう言って、化け物の方へと一歩、踏み出していくすみれにティアナは戸惑うしかない。明らかに無謀だ。そんな事を認める訳にはいかない。故に、呼び止めようとした時だ。


「…あれは…アネモネの悲しみだから。私が止めなきゃいけないんだ」


 すみれの悲しそうに呟かれた言葉に動きを止められた。ティアナはすみれに何を問う事も、その行動を止める事が出来なかった。
 その背中に、言いようの無い寂しさと、悲しさ。そして…怒りを感じたからだ。すみれから移されたフェイトが、ティアナの腕の中で身動ぎをして。


「すみ…れ」


 フェイトがすみれへと手を伸ばそうとする。フェイトの声が聞こえたのか、すみれが顔だけフェイトに向けて振り返る。
 そこにあったのは今にも泣きそうな表情のすみれだ。だがそれでも安心させるように笑みを浮かべようとしたのだろう。泣き笑いのような表情がそこにあった。


「…ごめん。私に任せて」


 ただそれだけ小さく告げ、すみれは化け物の方へと疾走を始めた。彼女がアネモネの悲しみと称した物へと。ただ、その後ろ姿をフェイトとティアナは見送る事しか出来なかった。


「ハルバード」


 すみれは呼びかける。それに答えるように手握ったハルバードが反応を返し、自身の手に槍が現れる。それを強く握り、まずはランスフォームから、セイバーフォームへと変化させる。


「フルドライブ…ライオット」


 すみれは更に、ハルバードを変形させる。セイバーフォームの刃が半分に裂けるように亀裂が生まれる。コアが二分化され、カードリッジシステムも2つに追加され、片刃の双剣が生まれる。刃の柄の部分には互いを繋ぐようなコードが繋がれる。
 力が高まるのを感じる。双剣の実体刃に、魔力刃を付与させる。魔力を濃厚圧縮し、結晶化。フレームに「嵌める」ように刃を付与させ、予め付与させておいた「魔力刃」を繋ぎに。
 フレームの負担を軽減させるために思いついた方法で刃を構築した所、上手く行った。それに手応えを感じながら、眼前にそびえる巨体を睨み付ける。


「アネモネ…」


 あれはアネモネの悲しみだ。アネモネはもういない。アネモネはここにいる。自分と共にいる。
 そう思うだけで涙が零れ落ちそうになる。だが、それを拭う暇は無い。こちらに向かってくる触手を片方の剣で切りつける。そのまま触手の上を伝って走るように疾走。
 それを止めようと触手が無数に向かってくるが、それを斬りつけ、踏みつけ、飛び回りながら回避する。ただ、奧へ。奧へと。その巨体の心臓部へと向かっていく。


「カードリッジロード」
『Explosion』


 双方から排出されるカードリッジ。計、6発。左右を合わせて残弾は6発。それを確認し、周囲に集まりだした粒子状の魔力結晶にオートガードさせながら、更に体勢を低くするように走り抜けようとする。
 だがそれを許さぬように、触手が道を塞ぐ。小さな舌打ちと共に、詠唱を開始。


「彼方より来たれ、やどりぎの枝」


 それはアネモネの残した「力」。アネモネのリンカーコアに刻まれた力は「1つ」になった今、自らの力ともなった。噛み締めるように、その力の迸りを確かめ、更に詠唱を続ける。


「銀月の槍となりて、撃ち貫け!! 石化の槍、ミストルティン!」


 ベルカ式の魔法陣が展開され、まず6発の光の槍を放ち、中心部から最後の1発を放つ。放たれた光の槍は道を塞いだ触手へと直撃。直撃した触手は石化を始めていく。
 それに獣の咆哮が鳴り響く。まるで悲鳴のようだ。それに顔を歪めながら、石化した触手を、結晶剣で破砕。そのまま破片と共に前方へと飛ぶ。そこに待っていたのは、牙のような物を弾丸にしたのか、無数に白い弾丸が向かってくる。


『Sonic Move』


 高速移動の魔法を起動。その場から消えるようにして移動し弾丸を会費する。斜め上の触手を蹴り上げ、反動を生かしながらそのまま直進していく。心臓部が目前に近づいてきた。
 そこには十字架に貼り付けられたように化け物の肉へと埋まるアネモネ…いや、「アネモネの残滓」を確認する。あれがコアとなっている筈だ。目的は見えた。ならば、後やる事は決まっている。


「カードリッジフルロードッ!!」
『Explosion!』
「圧縮魔力…解放ッ!!!」


 カードリッジを全弾消費し、次に周囲に結晶化させていた魔力の結合を解く。一瞬にして周囲に散る魔力を1つに集めていく。起動する術式に多少のアレンジを加え、集束させていく。
 星が集う。未だ、結晶化を解かれていない二本の魔力結晶に詰め込まれていく。


「スターライト…」


 告げる名は…最強の魔法の名。すみれが一度は打ち破った物。オリジナルや「アネモネ」と比べればかなり改変された物になるかもしれない。だけど、これが私なりの全力全開。
 自らの魔法を阻止せんと触手が迫る。だが、それよりも先に心臓部を潰す。そこにいる「アネモネの残滓」を消し去る。


(…言えないね)


 剣を振り上げてすみれは目の前に映る「アネモネの残滓」に、苦笑いを浮かべて。


(…サヨナラは……言えないよ)


 涙が溢れ出した。もう彼女の姿が見えない。だが、もう後は振り下ろすだけだ。見る必要などない。もう、彼女が消える所なんて見たくない。だから好都合だったのかもしれない。


「ブレイカァーーッッ!!!!」
『Starlight Breaker』

 咆哮と共に星光の剣は解き放たれた。十字を描くように振り下ろされた剣。本来球状になって解き放たれるそれは「斬撃」として放たれる。刃の壁、というべきだろうか。それは一直線に巨体の中心部を貫き…そして2つの剣が交差した瞬間に。


「ブレイク…シュートォッ!!!」


 終わりを告げる宣言が響き渡り…閃光を弾けさせた。そこにある「悲しみ」を飲み込みながら…。
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