次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第18話 Bpart
2010/02/28 SunOnly One Flowers
Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第18話「星屑 -Bpart-」



 太陽と星屑。光と光の激突。その戦いは熾烈を極めた。衝突した互いの魔力のエネルギーが周囲に風を巻き起こし、地を砕き、空気を震わせていく。


「すみれぇっ!!」


 その中でティアナはフェイトを支えながら叫んだ。最早、この激突の中心がどうなっているのかなどティアナには把握仕切れていないのだ。
 ただ最後に見えた光景は、アネモネの放った太陽のようなスターライトブレイカーに対して、すみれは夜空に散る星屑を纏ったような魔力刃で対抗した。
 そして決着は未だに付かない。エネルギーとエネルギーのぶつかり合いによって周囲が蹂躙されていく。舞い飛ぶ破片からフェイトの身体を護る。ティアナにはすみれの無事を願いながら、ただ嵐が収まるのを待つ事しか出来なかった。





 + + + + +





「モニター駄目です映像、確認出来ません!?」


 一方、クラウディアではすみれとアネモネの魔力の衝突による影響でモニターが映像を映し出す事が不可能になり、状況がわからなくなっていた。そんな中でクロノはノイズだらけのモニターをジッと見つめ、ただ直立していた。


「…勝つかな?」
「…わからん。だが…勝たなければ終わりだ」


 何気なく呟いたのはヴェロッサだ。その表情は重苦しい。状況がわからないというのはこんなにも歯がゆい物だと改めて実感させられる。そのヴェロッサの呟きにクロノは小さく首を振って返す。ただ事実を告げるしか今の彼は出来なかった。
 そんな2人の傍でノイズだらけとなったモニターを見ながらシャーリーは小さく溜息を吐いて。


「…なら、後出来る事は…信じるだけですね」
「そうだね」
「…あぁ」


 ただクラウディアのブリッジにいた皆は願うしかない。この事件に全ての幕を引くために。あの少女に、すみれに、どうか勝利を。





 + + + + +





 荒れ狂う暴風の中で剣が吹き飛ばされそうになるも、それをしっかりと支えながらすみれはスターライトブレイカーをスターダストブレイカーで抑え付けていた。
 すみれのスターダストブレイカーは周囲の魔力を集束させ、粒子状に結晶化させた物を刃と化して放つ物だ。その粒子達はスターライトブレイカーのエネルギーに砕かれ、再構築し、また砕かれ、と破砕と再構築を繰り返していた。
 こちらが疲弊するのが早いか、あちらのエネルギーを食いつぶすのが早いか、それとも…。


(…アネモネ…決着を付けよう)


 君も、そう思っているんだろ? とすみれが心の中で問いかけた瞬間だった。暴風の中、風の音に遮られて本来は聞こえない筈の声が耳に届いた。それがリンクによる声なのか、それとも本当に偶然聞こえた声なのか、幻聴なのかすみれにはわからない。
 だがそんな事は関係無いのだ。ただ今必要なのはこの戦いに決着を。互いに望む、この戦いの幕引きを。


「ブレイク…」


 アネモネの声が聞こえる。それは、スターライトブレイカーの最後の仕上げを行う為に。エネルギーが拡散してしまう前に、そのエネルギーを解放する。


「シューートォッ!!!」


 膨れあがるエネルギー。破裂寸前のスターライトブレイカーが剣にかかる圧力が増させる。それにすみれは表情を歪め、星屑の剣が揺らめいた。
 ここで、1つ例を挙げてみよう。
 アネモネのスターライトブレイカーは、要は魔力を固めたボールである。対して、すみれのスターダストブレイバーはカッターと称する事が出来る。
 カッターでボールを傷つける事は出来るが、破る事は出来ない。結果、そこにあるのは膠着だ。だが…アネモネのブレイクシュートは、その魔力を解放させて、爆発させる。
 それはつまり魔力の結合を緩ませる一瞬の隙が生じる。一瞬、構成が緩んだスターライトブレイカーは、称するならば風船だ。カッターの刃を風船に当てればどうなるか? その結果は…もう、わかるだろう。
 膨れあがった閃光を真っ二つに裂く星屑の剣。開けた空の果てに…すみれは、驚愕の顔を見せたアネモネの姿が見た。すみれは一歩、強く踏み出し、星屑の剣を振り抜いた。同時に閃光が弾け、世界を照らし出した。





+ + + + +





 閃光が消えていく。争いの名残を残す風が最後の一吹きと言わんばかりに、優しく過ぎ去っていった。荒れた大地には深い傷跡が残る。その荒れた大地の一画で、ティアナは目の前の光景をただ呆然と見つめていた。
 剣を振り下ろした体勢で膝を落とすすみれの姿が見える。その後ろには…仰向けに空を見上げるように倒れたアネモネの姿がある。


「…たお…した…?」


 ティアナの呟きと共にすみれがゆっくりと身体を起こした。だが若干よろめき、体勢を崩しかける。それにティアナは思わず息を呑んだが、すみれはすぐに体勢を持ち直し、足を引きずるようにしながらも倒れ伏すアネモネの傍へと寄っていく。
 アネモネはゆっくりと閉じていた瞳を開いて、目の前に映ったすみれの顔を見る。暫し呆然としながらすみれの顔を見ていたアネモネだったが、不意にその瞳に涙を溜め出した。


「…私は…何のために生きてるの…?」
「…」
「お前より優れて無ければいけないのに…私は、お前に負けて…だったら…私の存在価値は…どこに…あるの…?」


 零れていく涙。震える声で自身の存在の理由を訴えながらアネモネは静かに泣く。
あの瞬間、自身の最強の魔法が破られた瞬間に理解してしまったのだ。自分が本当の「欠陥品」なのだと。もはや人でもない。ただのプログラムと成り果てた「化け物」。
 それを打ち破ったのは他ならないすみれだ。だから、もうアネモネにはわからないのだ。自分が何のために生きて、存在しているのか。
 震えるアネモネの手をすみれはそっと、だが確かに握って彼女の首に手をいれ、上半身を起こした。すみれの支えによって上半身を起こしたアネモネは涙を流しながら呆然とすみれを見る。
 すみれは手を伸ばし、そっとアネモネの涙を拭う。しかし拭われた涙はまた零れ出す。それを何度も、何度もすみれは優しい手つきで拭う。


「…どうして…お前は…」


 何が問いたいのか最早アネモネの中では形にならない。ただすみれの存在が羨ましかった。捨てられた筈なのに自分よりも強く生きている彼女が、ただ妬ましい。
 あぁ、彼女の言うとおりなのだ。全て、自分は彼女に見透かされていたのだ。怖かった。いつ失われるかわからない居場所で怯えていた。だから、だからこの居場所を残そうと、必死になって、虚勢も張っていた。
 自分ではもうよくわからない。ただ…生きる為に必死だっただけだ。だがそれも今ではどうすれば良いのかわからない。見失ってしまった故に、アネモネに最早力は無い。


『…アネモネ。君はずっと助けてくれる人を呼んでたね』
「……」
『…ねぇ…。アネモネ。苦しかったね? 辛かったね? …でももう良いんだ。もう…止めよう』


 念話で自らの意志を伝えすみれはアネモネを掻き抱いた。ようやく、ようやく彼女を止められたと、その瞳から大粒の涙を零しながらアネモネをもう離さぬように。
 アネモネはすみれに抱きしめられる。すみれの言葉が自分の中に染み込んでくるように伝わってくる。それが心の最奥に触れた。それは言葉だけではなく、心と心が直接触れあう感覚。すみれがアネモネと繋がりを感じたように、アネモネもまたすみれの心に直接感応した。
 優しい、暖かい思い。本当に自分が欲しかった、生きている事が実感出来る、生きている事を喜べるその温もり。それに涙腺が決壊し涙が止まらなくなる。


「…ぁ…ぁぁっ…ぁあ、ああああああああっっ!!!!!」


 叫んだ。すみれの胸元に顔を埋めるようにして、すみれに縋るようにすみれの服を掴み、喉が裂けんばかりに泣き叫んだ。
 張り詰めていた糸が切れるようにアネモネの虚勢は剥がされた。そこにいたのは、ただ、怯える少女だけだ。自身の存在を疑い、温もりの損失を恐れ、ただ恐怖に震えていた子供。
 すみれはその震えが止まるように抱きしめ続けた。よくよく考えれば「姉妹」とも言える間柄であるのだ。そしてずっと悲しみを訴えられていた。止めたいと願い続けていた。それがようやく成就したのだ。ようやく…全てが終わったのだ。
 泣きじゃくる2人の光景を見て…ティアナは目元を拭った。苦労もさせられた。アネモネに対して許せない思いもまだある。だがあの光景を見て、恨み言を言う気にはなれない。ある意味ではアネモネも被害者でしか無かったのだから。
 故に、ただ今はこの光景を見ていたかった。2人が落ち着いた頃に、クラウディアに戻ろう。フェイトの治療の件もある、とどこかぼんやりした思考で。そうすると、フェイトが身動ぎをした。フェイトは瞳を開き、辺りを見渡して。


「…ティアナ…?」
「…フェイトさん。もう、終わりましたよ。すみれが終わらせました」
「…すみれが?」


 そう言ってフェイトは泣きじゃくる2人を見つけたのか、やや驚いた顔をしてから、ほっ、と安堵の息を吐き出して瞳を閉じた。
 ティアナがフェイトの体調を確認するが、フェイトは大丈夫だ、と言うように軽く手を振ってから、再び瞳を開き、すみれとアネモネの2人を見つめた。


「…良かった」


 万感の思いを込めて、フェイトがそう呟いた。すみれとアネモネは落ち着いたのか、涙を拭い合ってから、すみれが先に立ち上がりアネモネに手を差し伸べた。アネモネはやや照れたように手を差し出し、すみれの手を握った瞬間。


『ユニゾンシステム、起動』


 いつの間にかすみれの背後で不気味に浮かぶ書…。


「…え?」
『ユニゾン・イン』


 アネモネの呆然とした声と共に、書から発せられた光が2人を飲み込んだ。


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