次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第17話 Bpart
2010/02/28 SunOnly One Flowers
Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第17話「闇の再誕 -Bpart-」



 フェイトはここに来てようやく理解した。何故、ジーク・インプレッサが闇の書、そして夜天の書を欲したのか。その理由を。
 1つは魔法の蒐集。1つは魔力の貯蓄。だが、これにもう1つ付け加えなければいけなかったのだ。最後の1つは…アネモネを永久に残し続ける為だ。
 管制人格としてアネモネのデータを入力すれば、それは永久としてアネモネは破損しなければ残る事が出来る。更にデバイス化した事によって詠唱能力は人間のそれを凌駕する。
 更に魔法の蒐集によってアネモネの使用出来る魔法の幅は広がっていく。故に生まれるのは最悪の魔導師、いや、魔導書だ。


「あはは、アハハハッ!! 最高ッ!! 最っ高だよっ!! 本当に、パパは凄いや!! わかるよ、わかる!! うん、私は、これで完璧になったんだっ!!」


 リインフォース。正確に言うならば、闇の書の防衛プログラムの姿を彷彿とさせるその姿にフェイトは忌々しそうに唇を噛み締めた。
 高笑いを続けるアネモネにすみれが飛翔した。すみれ自身、困惑は隠しきれない。だがそれでも結局は同じ事。彼女を止めなければいけないという事なのだ。


『Divine Saber』


 魔力刃を展開。白桃色の刃がハルバードに展開され、アネモネへと上段から振り下ろされた。アネモネはそれをかわす予備動作を見せる事なく、魔力刃を素手で受け止めた。
 その手には防御魔法が展開されているのか、火花を散らしている。素手で受け止められるとは思っていなかったすみれは驚愕に目を見開かせて息を呑む。


「さっきは…よくもやってくれたねぇ…?」


 笑みを浮かべながら告げた言葉。だがアネモネの笑みはただ冷たいだけだ。すみれはぞっ、とするような寒気に襲われ、後退しようとした時だ。
 アネモネがすみれが下がるよりも早く拳を握りしめた。その拳には黒色の靄のような物が纏わりつき、そしてそれがどんどんと集束して行く。


「御礼だよっ!!」


 腰の捻りを最大限に生かした右ストレート。それにすみれは障壁を展開するも、あっさりと障壁が砕かれる。そして障壁が砕かれたというショックを受ける間もなく、アネモネの右拳をモロに喰らった。
 アネモネの右ストレートをモロに喰らい、すみれは地面へと急降下。そして叩き付けられるかのように地面に墜落。すみれが落ちた地点から土埃が舞う。


「…な…?」
「シュヴァルツェ・ヴィルクングだ」


 ティアナがアネモネの魔法の威力に驚いている間にフェイトはその魔法の正体を看破した。
 闇の書の防衛プログラムが用い、その知識を継承したはやても使用する事の出来る近接系統の魔法。書に記録した魔法も自在に使いこなせる様子だ。これはさすがに不味い。
 夜天の書のデータを奪ったという事は今まで蒐集した知識も全て継承しているというわけだ。その魔法の数々をアネモネが扱うとして…勝ち目は、正直薄い。
 万事休す。絶体絶命の状況とも言える今の状況にフェイトは拳を強く握りしめる。例えそうだとしても諦める訳にはいかない、と。


「それでも…諦めるわけにはいかないんだ…っ!」
「フェイトさん…」
「ティアナはすみれを連れて一度離脱して…あれは私が止める」


 バルディッシュを支えにしながらフェイトは立ち上がろうとする。だが先ほど与えられたダメージが響くのか、一瞬足下をふらつかせて。
 よろめいたフェイトを慌てた形相のティアナが支えて、不安に揺れる瞳でフェイトを見つめる。その表情には明らかな怒りの色がある。


「何言ってるんですか!? こんなフラフラで今のアネモネに勝てる訳が無いじゃないですか!?」
「それでも…やるしか無いんだ…ティアナ、すみれを」


 それだけ告げればフェイトはティアナの支えからそっと抜け出してから、バルディッシュをザンバーフォームへと変形させる。
 強くバルディッシュを握りしめ、地を蹴り、空へと舞い上がっていく。空に上がっていくフェイトをティアナは唇を噛み締めながら見送るしか無かった。自分に空戦は出来はしない、援護も出来る訳でもない。ここはフェイトに言われた通り、すみれを回収して一度体勢を立て直すべきだ、と。
 故にティアナはすみれが墜落した場所へと向かって駆け出した。それが今、自分に出来る事なのだと信じて。





 + + + + +





 クラウディアブリッジでもこの光景は目にされていた。正面モニターに映るのはアネモネへと切り込もうとするフェイトの姿。だが、その進行は一向に進まない。
 フェイトに向けて誘導弾と直射弾をばらまくように放った弾幕。それを無尽蔵に発射しながら笑みを浮かべてフェイトを近づけまいとするアネモネの姿。
 その弾幕は非常に厄介な物で、数も、質も最悪だ。更に近づこうとするもフェイトも、本来の動きと比べればどこか鈍い。
 逆にいつ迎撃されるかわからない状態だ。その妹の状況を見据え、クロノは強く唇を噛み締めた。


「…くそっ…!!」


 出て行ける物ならばすぐにでもその戦場へと出て、彼女をサポートしてやりたい。だが提督という立場が、艦長という立場がそれを許さない。今、自分がこの場を離れる事は出来ない。
 今、この船を離れればこの船の指揮は誰が執るのか。この船を纏めるのは誰になるのか。故にクロノはここを動けない。そんなクロノと同じように、現在の状況に好ましく思わないヴェロッサもまた細めた眼でモニターを睨むように見て…。


「…不味いな…どうする? クロノ、一度退くかい?」
「退けるならな。だが…退けるとは思えない。クソッ!」


 一般の武装局員では現在のアネモネには一網打尽だろう。だからといって高ランク魔導師を呼ぼうにも今からでは間に合わない。最悪過ぎる。自分も出れない。援軍も期待が出来ない。頼みの綱のフェイトは…既に限界に近いだろう。
 焦燥に駆られたクロノ。クロノだけではない。このクラウディアのブリッジにいる者全てが焦燥を感じているだろう。


「…ぇ…?」


 その時だ。ふと、小さく声を漏らした者がいた。クロノはその小さな呟きを漏らした人物、シャーリーへと視線を向けた。


「シャーリー? どうした?」
「…え…あの、でも、こんな…信じられないです」


 シャーリーが愕然とした様子で呟いた。クロノは一体何が起きているのかわからない。だがシャーリーが愕然とするだけの事態が起こっているという事はわかる。そして、彼女は震える声で、モニターに視線を向けながら呟いた。


「すみれちゃんの魔力量が…上昇してる…?」
「何?」


 シャーリーの言葉にクロノはすみれの映っていたモニター部分に注目した。そこにはティアナに支えられ立ち上がったすみれの姿がある。ティアナも何かの異変を感じ取ったかのようにすみれを怪訝そうな顔で見ている。


「何が起きてるんだ…?」
「わ、わかりません! でも、すみれちゃんの魔力が増大してるんです!?」


 原因不明の魔力量上昇。これが一体、何を示すのか誰もがわからない。その時だ、フェイトの悲鳴が響き渡った。クロノはフェイトの映っていたモニターに目を向けると地に落下していくフェイトの姿があった。どうやら遂に撃墜されてしまったようだ。アネモネの高笑いが耳に触る程、響き渡る。


「フェイトォッ!?」


 思わず身を乗り出し、クロノが叫んだ瞬間だ。


「す、すみれちゃんの魔力…計測不能ッ!?」


 それに負けじと叫ぶシャーリー。同時に、モニターに光が溢れた。





 + + + + +





 閃光。ティアナはそう称するしか無かった。倒れたすみれに駆け寄ると彼女は力のない、不気味な動作で立ち上がったのだ。目の前で、沈黙を保ちながら立ち上がったすみれを見た時から違和感は感じていたのだ。それは、まるで嵐の前の静けさのような不気味な沈黙。
 それに気を取られていると、フェイトの悲鳴が響き渡り、空を見上げ、彼女が落ちていく姿に思わず彼女の名前を叫んだ時だ。白桃色の閃光が駆け抜けた。風を巻き起こしながら、閃光は一直線へとフェイトへと向かっていく。
 そしてフェイトを横抱きにするようにすみれがフェイトを抱きかかえた。それを見たアネモネが誘導弾と直射弾を連続して放つが、すみれの周囲に到達する瞬間に霧散させられた。


「な…っ!?」


 アネモネが驚愕する中、すみれは地を滑りながらティアナの所へと戻ってくる。そのまま優しくフェイトを地面へと下ろして、ハルバードを握り直した。
 呆然とするティアナ。余りにも唐突過ぎる動きに付いて行く事が出来なかったのだ。そもそもすみれにあそこまでの高速機動は可能だったのかさえ疑問に思えてくる。
 更に、アネモネの魔力弾が彼女に近づいただけで消え去ったのは何故なのかすらもわからない。疑問が疑問を連鎖させていく中…すみれは、ゆっくりと口を開いた。


「―――――!!」


 声は無い。だがまるで吠えているかのようだ。咆哮の替わりに吹き出すのは白桃色の魔力。彼女の感情を示すかのように、白桃色の魔力は彼女の周囲を巡る。それは細かな光を産んでいく。蛍のような光だ。それは、彼女を守るかのように取り巻き、彼女の周囲を漂う。


「…結晶…?」


 そっとティアナは手を伸ばすと、ティアナの指にはまるで粉雪のように付着する。それはすみれの魔力の結晶だ。だがあまりにも細かい。それにティアナはまさか、これが先ほどの魔力弾を霧散させた原因か、とティアナと推測し、結晶を撫でる。さらさらと落ちていく結晶の粒はすみれを取り巻くように戻っていく。
 だからティアナは見てしまった。結晶を目で追っていった為にすみれの表情を。そこに浮かんでいた顔は……鬼気すら感じられる程の、怒りの表情であった。



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