次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第16話 Bpart
2010/02/27 SatOnly One Flowers
Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第16話「激突 -Bpart-」



 闇が世界を喰らっていく。地を蹂躙し、空気達を震わせながら暴虐の闇は破壊の限りを尽くし、その身を消滅させていく。その中心点であるアネモネは、目を見開く事しか出来なかった。それは、不可解な物だった。それは、理解が追い付かない物だった。


(あれは…何?)


 先ほどまですみれ達がいた場所に結晶の殻のような物が形成されていた。自ら発動した「デアボリック・エミッション」で呑み込まれた筈。なのに、あれはなんだ、と。
 白桃色の殻は次第に罅が入り、その姿を霧散させていく。その中から出てきたのは、アネモネと対峙する三人の姿であった。


「…なっ…!?」


 どういう事? と、アネモネの思考は混乱を招いた。ディアボリック・エミッションはバリア阻害の効果も持ち、バリアを展開するのは容易では無いはずだ。だが、彼女等がほぼ先ほどと変わらない状態でいるのはおかしい。
 一体、何故? アネモネがそれを自問自答を続けていた時だった。


「すみれ…アンタ」


 ティアナは呆然としてすみれを見ていた。先ほどの結晶の殻は色からしてすみれが展開した物なのだろう。私達を守る為に。恐らく、バリアタイプの魔法を集束させて結晶化させたのだろうが、負担が無いのか、と。
 そしてティアナは顔を上げた時に気づいた。すみれが泣いている事に。


『アネモネ…』
「っ…No.207…!!」
『…苦しいよ。アネモネの心が…苦しいよ』


 すみれが顔を俯かせたまま念話でアネモネに告げる。その念話はティアナにも届き、ティアナの表情に納得の色が浮かぶ。先ほど、彼女が胸を押さえたのはアネモネの感情がすみれの心を揺さぶり、それによって生じたのだろう。
 不安が過ぎる。このまますみれが倒れないだろうか。そんな懸念がティアナの中に広がるが、すみれはただそこに立っている。
 一方、アネモネはすみれの発言の意図が読めず、困惑した表情ですみれを見つめて…。


『憎んで…怨んで…でも…本当は、怖いんだね?』
「…ッ!? な、何を…」
『…捨てられるのを恐れてるんだね? だから私が憎いの? 捨てられたのに…生きている私が』


 涙を零しながらもすみれはアネモネを真っ直ぐに見据えて問いかける。だが、その問いかけは、アネモネの逆鱗に触れる行為だ。それに触れられた事によって、アネモネは強い拒絶感が沸き、憎悪がかき立てられる。次第にアネモネがすみれを睨み付ける目の力が強まって…。


「…黙れ…」
『黙らない…。私は…黙らない。アネモネ、聞いて欲しいんだ。私は喋れない。アネモネみたいに強くもない。だけど、生きていられる。だから、アネモネだってそんな事しなくたって生きていける。怯えないで、笑って生きていける』
「黙れ…っ…」
『父さんが全てじゃないよっ!! アネモネッ!!!』
「黙れぇぇえええええっっ!!!!」


 吠える。憎悪の咆哮が荒野に高く、高く響き渡っていく。その咆哮にすみれは深く息を吸ってから、目の涙を拭ってハルバードを強く握り直した。
 対してアネモネもアクゼリュスを構え、すみれを睨み付ける。互いの視線が交わされ、睨み合う。


『黙らない…私は、黙らないッ!! 止める…絶対に止めてみせる!! もう、悲しいのは嫌だからっ!! フェイトの悲しみも、なのはの悲しみも、皆…アネモネの悲しみもだ!! もう、見たくないんだっ!!』
「黙れ欠陥品がぁああああああっっ!!」


 アネモネがスマッシュシューターを展開。だが、それはすみれの放ったディバインランサーによって出現と共に無力化される。その発射速度と威力にアネモネが気を取られた瞬間だ。すみれは、ティアナへと視線を向けて。


『ティアナ…後、私がやるから…手、出さないで』
「で、でもアンタッ!」
『フェイトを、お願い』


 すみれの念話にティアナが反論しようとするも、すみれは最早、その反論は受け付けない。ただフェイトの安否を心配しながらもアネモネへと向き直る。無言の意志疎通。ハルバードはすみれの意志を汲み取り、カードリッジをロード。1発、2発…。膨れあがる魔力に深く息を吸う。
 ハルバードはランスフォームから、セイバーフォームへとその姿を変形させる。両手でハルバードを握りしめすみれはアネモネを見据えて。


『アネモネ…私は、黙らない。君が止まるまで…絶対だ』


 すみれの念話にアネモネは何も答えない。それにすみれも最早言う事は無い。後はただ…――。


「アァアアアアアアアッッ!!!!」
「…ッ…!!!!」


 ――ぶつかり合うのみ。
 互いに宙へと舞い上がり、すみれはハルバードを、アネモネはアクゼリュスを振り下ろしぶつけ合う。空中で切り結び合い、互いに同時に弾き合う。距離を取れば、誘導弾と直射弾の応酬。その最中に互いに接近を試みて衝突音が鳴り響く。
 白桃色の閃光と、濃桃色の閃光が互いに尾を引くように飛び回り、ぶつかり合い、それを操る少女達がぶつかり合う。甲高い金属音が連続して響き渡る。1撃、2撃、3撃…繰り広げられるは高速の応酬。デバイス同士の衝突音を主音とし、誘導弾と直射弾がぶつかり合う音が福音となり、鳴り響く音が曲を奏でてるかのようにさえ聞こえる。その光景をティアナは呆然と見上げていた。


「…なんて、デタラメ…」


 機動の速度で言えば、フェイトよりも互いに早くは無い。だが、その合間の応酬も合わせ、多量の魔力が放出され、周囲の魔力の濃度を上げていく。それを集束によって回収し、更に転用。それを恐らく無意識的にやっているのだろう。互いに。故に、薄ら寒い物がティアナの背筋を走っていく。明らかに、自分が届かぬ次元の戦い。勝ち目など一切に無い、一線を踏み越えた者達の戦い。


「…これが…Sランクを超えた者同士の戦いだって言うの…?」


 ティアナが呟きを零す。その呟きの間にも目が眩むような魔力弾の応戦が繰り広げられ、互いに動き回り、接近の機会を伺う。そして加速と同時に、互いの魔力光を残光として残しながら衝突。息が合ったように、彼女達はぶつかり合いを続ける。


「…すみれ…」
「フェイトさん!? 大丈夫ですか!?」
「…頭が…ちょっと響いてる…それより…」


 ティアナに安否を確認されるも、フェイトは自身よりも戦いを繰り広げているすみれの方が気になるのか、空を見上げる。それにティアナも吊られて空を見上げた。
 衝突を続ける最中、アネモネがカードリッジをロード。1発のカードリッジが排出され、こみ上げた魔力をそのまま魔力刃へと転用。アクゼリュスの槍に濃桃色の刃が形成されて。


『Curse Edge』
「死、ねぇッ!!」


 明確な殺意を以てしてアネモネはすみれの息の根を止めようとその刃を振るう。対して、すみれもハルバードのカードリッジをロード。1発、2発、3発、4発…まだ止まらない。カードリッジが排出され、すぐさますみれが別のカードリッジをリロード。5発、6発、7発、8発、9発、10発…。連続してカードリッジを詰め込んだ事によって、魔力にフレームが悲鳴を上げ、熱を産む。


『Variable Divine Saber』


 1つ目の魔力刃がフレームに生じた余剰熱を吸い上げ、それを刃から独立して展開。「繋ぎ」の魔力刃が発熱した刃とフレームを繋ぎ、排熱の効果を果たす。熱を帯びた魔力刃を保護するかのように、魔力刃が展開され、紅蓮の刃が展開される。
 その異常とも言える魔力刃にアネモネは目を見開いた。思わず突撃の勢いが緩む。勢いが緩む一瞬の隙、そこに食らい付くかのようにすみれが急接近。発熱した魔力刃をアネモネへと叩き付ける。アネモネもまた、アクゼリュスで受けるも、受け止めた魔力刃が次第に押されていく。


「くっ…のっ…!!!」


 なんとか押し戻そうとするも根本的に魔力刃の密度が違い過ぎる。結果、切り払うのが精一杯で、アネモネはアクゼリュスでハルバードを弾き、距離を取ろうとする。それを追うのはハルバードを構えたすみれだ。
 アネモネは忌々しげにすみれを睨み付け、スマッシュシューターを時間差で放つ事によって距離を取ろうとするも、それを気にせずにすみれは切り込んでいく。だが、そう簡単に行く訳もなく、距離を取るアネモネ、縮めようとするすみれの構図の膠着状態が続く。
 膠着状態が続く中、すみれは意を決したようにハルバードを大きく振りかぶり、アネモネへと向け――。


『Saber Slash』


 ――魔力刃を飛翔させた。発熱した刃が他の二層の魔力刃を取り込み、紅蓮の刃が飛翔する。その紅蓮の刃を見て、アネモネが慌てたようにシールドを展開するが、その熱に顔を歪め、いなす事によって回避に成功。いなされた魔力刃は地面へと向かい、地を一文字に焼き尽くしながら消滅していった。その威力に、アネモネは思わず息を呑んだ。
 気づけば自らの手が震えていた。それにアネモネは呆然となる。自分は…自らの欠陥品に対して怯えている? 自らの胸に過ぎった物はアネモネのアイデンティティを崩壊させる物に近い。故に、彼女は更に憎悪が満ちあふれるのを感じていく。


「欠陥品の分際で、何で…何でぇぇええええええっっ!!!」


 アネモネは憎悪と不快を込めて叫んだ。それにすみれはハルバードを構えながらただアネモネを見つめるだけだ。その視線に、その姿にその全てにアネモネはすみれという存在の否定を望んだ。殺意と憎悪が身体を動かした。ただ、目の前にいる者を「排除」しなければならないと、そう判断したから。
 故に、再度の衝突。戦闘は、更に激化していく。
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