次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第15話 Apart
2010/02/25 ThuOnly One Flowers
 砂塵が吹き荒れていた。辺りは見渡す事一面の砂漠。照りつける太陽は汗が噴き出そうな程、熱く砂の大地を照らす。
 風が吹く度に舞い上げられる砂は渦を巻いて空へと昇っていく。昇った砂は風が去ればまた大地へと帰る。
 繰り返す風景の中大きな変化が訪れる。大量の砂が舞い上がる。地の底より何かが飛び出した為に巻き上げられたのだ。大量の砂を巻き上げたのは巨大な体躯を持つ大トカゲだ。
 人を丸呑み出来そうな程、大きな口に顔。その顔に見合った雄々しい身体にはトカゲ特有の鱗が覆っている。ぎょろり、とした目が、砂漠に立つ何かを見た。
 肉の臭いだ。つまり、餌だ。餌の臭いに釣られ、この大トカゲは姿を現したのだ。地中に潜み、獲物を待ち、捕らえ、喰らう。ただ、生きる為の養分を得る為に。長い舌が、獲物を捕らえる為に吐き出された。伸びる舌。そして、肉を得て、自らの栄養と化す。
 そうなる筈だった。


「アクゼリュス」
『Protection』


 獲物の前に展開されたのは濃桃色の光の障壁。獲物を捕らえようとした舌はその障壁によって弾かれ、弾かれた痛みに大トカゲは警戒の色を表す。防衛本能が告げるのだ。この獲物は自らを害する事の出来る者だと。


「…雑魚だね」


 獲物が大トカゲには理解出来ない言葉で何かを呟いた。その瞬間に大トカゲの意識は途切れた。何が起きたのかわからない。ただわかるのは、脳天を叩き付けるようなその衝撃に意識は奪われたようだ。
 砂漠に立っていたのは、少女だ。少女は軽く指揮者のように指を動かす。指の動きに合わせて予め設置していた誘導弾が動く。中指と親指を使い強く擦る。パチン、と小さく音を立てるのと同時にその誘導弾は空気中へと霧散していく。
 誘導弾が脳天に叩きつけられ崩れて行った巨体を見つめ、その巨体を沈めた少女は笑みを浮かべて懐より何かを取り出した。書だ。ページを捲る音が響く。書は空白のページを開くと捲るのを止める。


「蒐集」
『All Light』


 巨体の胸部辺りより光の球体が浮き出る。書はその光の球体を吸収していき、空白のページに文字が綴られていく。光の球体が消えるのと同時にページに文字が綴られるのが止まり書が閉じられる。
 それを見て…少女の口元に笑みが浮かぶ。


「次、行こうか。アクゼリュス…パパの為に…もっと強くなろ?」


 そう呟き、一歩踏みだしたその姿は砂塵に紛れて消えていく…。




Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第15話「焦燥 -Apart-」




 時空管理局は数多の次元世界を平定する為に次元巡航艦を所持している。
 次元を渡り、数多く存在する次元世界を回り、事件が起きたのならば解決する移動拠点なのである。
 その1つ。次元巡航艦「クラウディア」。クラウディアのブリッジでは一人の青年が腕を組み、何かを待つようにジッ、と佇んでいた。
 佇む男の耳に、声が届いた。その声は、クラウディアのオペレーターの物だ。


「艦長。フェイト・T・ハラウオン執務官及びその執務官補佐2名、民間協力者1名。本艦への転移を確認いたしました」


 艦長、と呼ばれたその男はオペレーターの言葉に小さく頷き、腕組みを解いた。


「わかった。すぐ、ブリッジへと案内してくれ」
「了解しました」


 艦長の指示に従い、オペレーターが連絡を続ける。その様子にこの船の艦長を務める男、クロノ・ハラウオンは小さく息を吐いてからブリッジの天井を見上げて。
 そんなクロノの肩を叩く男がいた。背後から忍び寄るようにクロノに近づき、軽くその肩を叩いて自らの存在を知らせるかのようにして。


「何だい? 随分と浮かない顔だね?クロノ」
「ヴェロッサ…浮かなくもなるさ。今回の事件は色々と厄介だからな。そうして飄々としていられる君が羨ましいよ」


 緑髪の長髪の男、ヴェロッサにクロノは苦笑いを浮かべてそう返した。その表情を見てヴェロッサはまるで、やれやれ、と言うように肩を竦めてから、目を細め、真剣な表情を浮かべる。
 その表情を見て、クロノはハッ、としたような顔を浮かべた後、罰悪そうな表情を浮かべて。


「…本気でそう思っているかい?」
「…悪い」


 ヴェロッサの言葉にクロノは済まなそうに首を振る。飄々なんかしている訳ではなかった。この事件で…彼女の妹分である八神はやてが病院送りにさせられているのだ。それを彼がなんとも思っていない訳がない。


「まぁ良いさ。普段の僕の所為でもある。だけどね…妹分を傷付けられてへらへらしてられる程、僕は落ちぶれちゃいないんでね」


 先ほどの真剣さはどこへ行ったのか、と言う程の態度の変わりようにクロノは思わず苦笑を深めてしまった。あぁ、やっぱり飄々としている、と。
 だが、これが彼らしさだ。だが、大事に思っていない訳ではないのだ。だからこそ彼とは友でいるのだ、と。
 クロノが苦笑を笑みに変えたのと同時に、ブリッジのドアが開かれる音がした。


「フェイト・T・ハラウオン執務官、及び、その補佐官2名に民間協力者1名。失礼致します」
「クラウディア艦長クロノ・ハラウオン提督だ。歓迎しよう」


 ブリッジのドアが開かれ、中に入ってきたのは執務官の制服を纏ったフェイトだ。互いに形式上の挨拶を交わした後に、敬礼を崩して、表情を緩め合う。


「久しぶりだな。フェイト」
「うん。久しぶり。…クロノ、今回の事件は…」
「あぁ、覚えている。あの時に逃がしたジーク・インプレッサが関与しているのだろう?」


 クロノもまたフェイトとあの事件を追っていたのだ。提督になり、艦長としての責務をこなすようになってからは捜査からは外れたが、それでも気にかけていた事件である。
 それが、まさかこのような形で芽を出すとは思わなかったが…と、クロノは内心呟く。
 クロノは視線をフェイトからフェイトの後ろに映す。フェイトの後ろにはフェイトに続いてブリッジに入室したティアナとシャーリーが立ち、最後に一人の少女が立っていた。
 少女はクロノと目が合い、しばらく見つめ合う。見つめ合ったままでいると少女が、やや困惑したような顔をする。その顔を見ながらクロノはフェイトに問いかけを投げかけた。


「…この子が…例の子供か?」
「すみれだよ」


 フェイトはクロノが見つめる少女の名を告げる。すみれ、と紹介された少女は最初は自分の名前を出されて、オロオロとしていたのが更にオロオロし始めたが、戸惑いながらもフェイトの真似をしたのか敬礼をする。
 そのすみれの仕草にクロノは思わず苦笑いを浮かべてしまう。


「すみれ…だったか。敬礼する必要は無い。楽にしてくれて良い」
「…」


 クロノの言葉を受けて安堵の息を吐き、すみれは敬礼を止めてそっと自分の胸を撫で下ろした。その様子に、フェイトが愛おしそうにすみれを見つめている。
 そのフェイトの様子に元々子供好きだったな、とクロノはそんなフェイトを見て思わず思い出し、頬を緩める。


「…さて…そろそろ本題に入った方が良いんじゃないかな? クロノ」


 ふと、ヴェロッサが微笑ましそうにその光景を見ながらだが、最もな事を言う。
 同意するように全員がヴェロッサの言葉に頷く。クロノがオペレーターに指示をして、1つの映像が浮かび上がる。
 そこには無惨にも地に倒れ、生気の色を失った生物が横たわっていた。思わずフェイトとティアナ、シャーリーは顔を歪め、すみれに至っては目を逸らした。
 クロノはそんな4人の様子に気づきながらも、話は進めなければならないと、そのまま話を続けていく。


「これは、ある次元世界の生物の死骸だ。死因は…衰弱死だ」
「衰弱…?」
「あぁ。…リンカーコアの衰弱が原因だ」


 衰弱と言われ、ピンと来ないティアナにクロノが説明した。衰弱の意味を理解したフェイトは目を細めて。


「リンカーコアの衰弱って…」
「更に正確に言うなら損失したと言うべきか。それによってこの原生生物は死んだ。これは…10年前に解決された「闇の書事件」の前の闇の書事件、その際に被害にあった原生生物と同様の死因だ」
「…つまり犯人は「闇の書」と同じく「蒐集」が可能な者によって殺された…」


 ティアナの疑問に答えたクロノ。クロノの言葉にフェイトが補完を入れて、ティアナは合点が行ったと言ったように頷いて。すみれはいまいちわからなさそうな顔をしている。


「…ミッド式の魔法でもリンカーコアを抜き出す魔法はある事にはあるけど…蒐集したり出来るのは、「闇の書」のように「蒐集」が可能な者にしか出来ない」
「現在その手段を扱える者は確認している限り…君達も良く知る八神はやて…そして…」
「その闇の書、及び夜天の書のデータを強奪したアネモネだけ…って事かな」


 現時点で八神はやては入院中によりこの犯罪は行えない。消去法で行くならばこの事件の犯人は…必然的にアネモネとなる。
 目的がいまいち掴めないが彼女のしている行為は生態系の破壊に繋がる恐れがある。その点も考慮して早期の逮捕が望まれる、とクロノは告げる。
 重い空気が漂う中、知らず知らず…すみれの手に力が込められ拳が作られていた。
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