次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第14話 Bpart
2010/02/25 ThuOnly One Flowers
Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第14話「ハルバード -Bpart-」



 すみれはヴィータの指導の下、魔法の訓練を行っていた。魔法事態は使って教える事は出来ないが術式の不具合などはヴィータも見る事が出来る。
 その後は軽い座学をやる、との事で魔法の効率的な運用や、基本戦術の確認をする。
 すみれは、幾らか戦術パターンなどを刷り込みで取り入れているが、改めて思考として考えられるのと、考え無しで身体が勝手に動いて行くのとでは訳が違うだろう。
 さて、そんなヴィータとすみれを視界の隅にいれながら、ティアナは目の前でコンソールを叩いているシャーリーへと視線を向けた。
 コンソールを叩くシャーリーの眉は寄っており、悩むかのようにうなり声を上げながらモニターを睨むが、モニターの数値やデータが変わる事など無く、がっくりと頭を垂れさせた。


「うぅー。無理。時間があるなら改造出来るけど、時間が無いからなー…すみれちゃんの力に制限を掛けるしか無いかな…これじゃあ」
「そんなに、ですか?」
「うん…。正直予想外だよ。彼女の技術…「集束固定」って言えば良いのかな? 常時集束させた魔力を魔力刃に送り込んで維持・固定していくんだけど…その負担がフレームに行ってね。アームドなら、って思ったけど…これは予想外だったよ。まさか、次の段階に行くだなんて…」


 元から、集束と固定に秀でた才能を持っていたすみれ。その力は一般デバイスに魔力刃を纏わせ、数分でフレームの耐久力を限界にまで持っていくのだ。
 故に強度が売りのアームドならば、と思ったが、ただのアームドですら追いつけない。


「…伸ばす事を考えるんじゃなくて、他の欠点を補えば良かったかもしれませんね」
「後の祭りだよ…。まさか補助しようと思ったら、その補助ですら吹っ飛ばす程の魔力固定に長けてただなんて…。もうこれは稀少技能だよ…」
「魔力硬質化…ですかね?」


 そこでティアナはふとすみれの方を見ながら。


「…すみれって、どこまで魔力を固められるんでしょうね?」
「…え?」
「一度、データ取っておいた方が良いんじゃないですか? 最悪、何か別の案が見つかるかもしれませんし」
「うーん…それもそうだね」


 ティアナの提案に、シャーリーも同意するように頷いて。
 善は急げ、と言わんばかりにシャーリーは座学に入ろうとしたヴィータとすみれを呼び止めデータ取りの件を伝えた。
 ヴィータはシャーリーの話を聞いて本人もやはり気になるのか、2つ返事で了承。
 ヴィータがすみれの話を通し、すみれも同意の意をヴィータに伝え、すぐさま測定にかかった。


「…よし。やってみろ、すみれ。駄目だと思ったら止めて良いぞ?」


 すっかりとすみれの先生のようになってしまっているヴィータ。ヴィータの様子に、ティアナは機動六課時代、なのはとヴィータの下、訓練に明け暮れていた日々を思い出し思わず頬が緩んでしまいそうになったが、すぐに気を張り詰め、すみれを見る。
 最悪、すみれが暴走しそうになれば止めるのは自分になるだろう。ヴィータも一撃分ぐらいは止めるかもしれないがそれでも危険な物は危険なのだ。
 ヴィータもそれがわかっているのか、騎士甲冑こそは纏ってはいないがグラーフアイゼンは肩に担ぐように構えている。
 すみれはヴィータの合図に小さく頷いて魔力を固め始める。展開された術式は魔力刃を形成する物だ。本来デバイスになど、纏わせて使うそれを単独で発動させ固めて行く。
 白桃色の魔力が固まっていく。周囲の魔力素すらも飲み込み、ゆっくりと、すみれのイメージする形に変えていく。先ほどと同じ光景だ。白桃色の魔力が密度を増していき色鮮やかになっていく。


「…ここまではさっきと同じだな」
「…魔力刃の密度…半端じゃないですね、これ。通常の魔力刃の密度と比べて2、3倍はありますよ」


 シャーリーがデータを計測しながら小さく呟きを漏らす。その間にも、ヴィータとティアナはそれぞれのデバイスを握り直しながらすみれを見る。
 いつ、魔力が制御を失って暴走するかもわからない。吹き飛ばすのは自分達の役割だ。結界はヴィータがカードリッジを使用して展開しているが…正直、保てるかわからない、とはヴィータの弁だ。
 すみれはなのはのクローンだ。なのはは、ヴィータの封鎖結界を「スターライトブレイカー」で撃ち抜いた事すらあるのだ。似たような現象を彼女が起こしている以上、覚悟はしておいた方が良いだろう、と。


「…っ…!」


 一瞬、すみれが息を呑む。その瞬間に形成されていた魔力刃がブレを見せた。
 構成が一瞬鈍ったのだ。制御が利かなくなったのか、と、ヴィータとティアナは緊張を高めた。


「すみれっ! 制御出来ねぇなら霧散させろっ!!」


 ヴィータの怒鳴り声が響く。それに、すみれは小さく首を振った。
 その瞬間だ。空中に展開されていた魔力刃が地に突き刺さった。すみれは力尽きたように膝を付き、浅い呼吸を繰り返しながら倒れた。


「すみれっ!?」


 倒れたすみれを見て、ティアナは彼女の名を叫びながら駆け出した。倒れたすみれの身体に触れて呼吸を確認する。浅い呼吸は次第に収まっていくが、完璧に疲労でダウンしている様子だ。
 ここまで無理して、と一瞬ティアナは思い、すみれの身体を抱き起こした。抱き起こした時、ふと視界の端にヴィータが映った。ヴィータは険しい顔をしながらすみれの展開した魔力刃を見つめていた。


「…あれ?」


 そこでティアナは気づく。すみれは倒れ、既に魔力刃には魔力は行っていない筈だ。本来、魔力の供給が無くなった時点で消える筈の魔力刃は、今尚その場に残り、大地に突き刺さっている。
 ヴィータが拳を握って、魔力刃を軽く叩いた。こつ、と音が響く。それにヴィータが驚いたような顔をした後、また眉を寄せ直して。


「…結晶化してやがる…」
「…は…?」


 ヴィータの小さな呟きにティアナは目を丸くさせた。その丸くさせた目で、魔力刃を見つめ唇を震わせた。


「…確かに魔力は物質だ。だが、粒子状で細かな物だ。固めてもすぐに霧散しちまう…。だがこいつの魔力刃は違う。密度が濃すぎて霧散出来ねぇんだ」
「ど、どこまで魔力を込めればそんな風になるんですか!?」
「こりゃ…本当の稀少技能だな…」


 ティアナに告げてから、ヴィータは小さく息を吸ってグラーフアイゼンを振り下ろした。振り下ろされたグラーフアイゼンは一直線に魔力刃へとぶつかり…グラーフアイゼンが滑り、地面へと叩き付けられた。
 その表面には、一文字に傷をつけられた後が残る。引っ掻いたようなその傷を見つめヴィータは魔力刃を見つめた。


「…半端じゃねぇ強度だな」
「デバイスの補助なしで…こんな事が出来るんですか?」
「さぁね? まぁ…する必要がねぇからな。ある程度固めてしまえば、それ以上の強度はいらねぇ。使い所が難しい技術だな」


 ここまで固めた所で、使い所が難しいのは確かだ。戦闘の用途としては、メリットは余りない。


「…まぁ、魔力が無い世界とかでの活動に使えそうだな。カードリッジと含めれば、かなりの貯蓄量を稼げる筈だ」
「え? これ、魔力に還元出来るんですか?」
「砕けばな。…まぁこういった風にだな」


 今度は結構力をいれた風にヴィータがグラーフアイゼンで叩く。刃は地面から抜けたが、砕ける様子は無い。そのまま草原に横渡るように魔力刃が転がって。


「こういった風に、だな?」


 再びヴィータがアイゼンを振り上げ、思いっきり振り下ろして叩く。だが、折れたり、砕ける様子は無い。


「こういった、風にだなっ!!」


 両手で握って思いっきり叩き付けるが、結果は同じである。折れたり、砕けたり、それどころか罅すら入る様子も無い。
 傷1つ付かない刃を見て、ヴィータは額に青筋を浮かべながら、良い感じな笑顔を浮かべる。珍しい笑みの顔だがティアナはそれに恐怖しか覚えない。


「…アイゼン、カードリッジロードッ!!!」
「ちょっ!? ヴィータさん落ち着いてください!?」
「うるせぇっ!! アイゼンッ!! ロードォッ!!」
『残存魔力が減少します。その要求は容認出来ません』
「ロードしろっつってんだよッッ!! コイツぶっ壊す!! ぶっ壊さないと鉄槌の騎士の2つ名が泣くっ!!」
「き、消えちゃいますよっ!? だから駄目ですって!! っていうかシャーリーさんも止めてくださいよぉっ!?」


 ティアナが必死にヴィータを押しとどめているが、ヴィータは今にもカードリッジをロードして本気で破壊しにかかろうとしている。だが、今の彼女の健康状態からそれは容認出来ない。
 なんとか止めたいのだが、自分一人では止められそうにも無い。思わず、ティアナはこの場にいるもう一人の人物に目を向ける。


「…うわぁ…なんなのぉ、これ…すごぉい…結晶化してるやー…」
「シャーリーさんっ!? シャーリーさんってばっ!? 現実に帰ってきてっ!? 本気で止めないと不味いんですってばっ!?」


 モニターを見て、どこか逝っちゃってるシャーリーにティアナは思わず叫ぶ。羽交い締めにしているも、いつこの拘束から逃れヴィータが暴走し出すかわからない。
 このやり取りは…フェイトが病院の見舞いを終える夕暮れになるまで続けられ、半ば涙目になりながら口論するヴィータとティアナ。モニターを見ながらどこか逝ってるシャーリー。地面に寝転がり、丸くなりながら熟睡するすみれと、訳のわからない状況をフェイトが発見するまで続けられたそうな…。
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