次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第14話 Apart
2010/02/25 ThuOnly One Flowers
 すみれは待機状態のデバイスを握りしめた。掌に収まる赤色の宝玉が付いたタグのような形の待機状態のデバイス。首からかけれるようになっているようで紐を通す部分がある。


「さっそくテストしてみたいんだけど、良いかな?」


 シャーリーの言葉に、勿論、と言うようにすみれは大きく頷いて、バリアジャケットを展開する。白いバリアジャケットを身に纏ってから、デバイスに魔力を込める。宝玉部分が小さく光り、無機質な機械音声が起動した事を告げる。


『Standby lady.Set Up』


 タグが光り輝き、宝石部分のみが残り肥大化。宝石をコアとするようにパーツが出現し、コアを取り囲む。
 まず穂先が生まれ両刃がつけられる。根元部分にカードリッジシステムが組み込まれ、柄が設置される。
 すみれの手に握られたのは、槍。矛槍と呼ばれた武器に良く似た形状だ。感触を確かめるように握り直してから…すみれはデバイスを凝視した。



Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第14話「ハルバード -Apart-」



「…ストレージか?」
「今の所、アームドとストレージの混合型みたいな物です。外装自体はアームドで、中身にストレージ、って感じですかね? 名前は…「ハルバード」です」


 ハルバード、と呼ばれたそのデバイスをすみれはその感触を確かめながら重さなど、軽く構えを取りながら確かめる。
 すみれが感触を確かめてる間、ヴィータとシャーリー、ティアナはハルバートのデータを見ていた。


「んだこりゃ? 魔法補助がほとんどオミットされてんな…?」
「すみれはデバイス無しの単独でAAに届く程の実力があるんで」
「それでなら武器としての性能を高めた方が良い、って。後は…これに管制人格も付けようかと思いまして…ほら、すみれちゃん話せませんから」
「…なるほどな。結局、この魔法補助の部分に管制人格を居れるから削ったって所か」


 後ろで何か会話をしている3人を気にする事無く、すみれはデバイスを何度か振るう。
 やや重めだが、振るえない訳ではない。感触を確かめれば魔力を込め、すみれは魔法を発動させた。


『Divine Saber』


 穂先から刃までを覆うように展開された白桃色の魔法刃。いつもよりスムーズに、より固く形成される魔力刃にすみれは驚きを隠せない。
 暫く展開し続けていてもデバイスが軋む様子も見せない。表情に喜びの色を滲ませながら魔力刃を見つめて。


「あ、こら。アンタ気が早いわよ?」
「まぁまぁ。あ、すみれちゃん。これ、マニュアル。しっかり目を通しておいてね」


 魔力刃を展開しているすみれに気付き、ティアナはやや呆れたような顔をしながら咎めようとして。
 だが、そんなティアナをやんわりと諌めながら、シャーリーはすみれ用のマニュアルを渡す。すみれは魔力刃を解除してから、シャーリーからマニュアルを受け取って、その場にしゃがみ込んでそのマニュアルを凝視していく。
 その仕草は、欲しい玩具を貰って、その玩具の説明書を真剣に読む子供の姿そのものだ。思わずシャーリーの顔が綻ぶが、これがデバイスでなければ、という思いも多少あった。
 シャーリーが思い耽っていると、データを確認していたヴィータがシャーリーに振り向いて。


「変形機能は、幾つあるんだ?」
「まず基本形態の「ランス」に、剣形態の「セイバー」。で、フルドライブが双剣の「ライオット」です」
「…あん? それって…」


 最後のフルドライブの部分の名前を聞いて、ヴィータは思わず声を挙げた。それにシャーリーは少し悪戯が成功したような顔で笑って。


「はい、実はこれ、フェイトさんのバルディッシュを参考にしてますから」


 鎌はありませんけどね、と笑うシャーリーにヴィータは怪訝そうな顔を浮かべる。それにティアナがやや気まずそうにヴィータに視線を向けてから。


「やっぱり…ヴィータさんも意外に思います?」
「…まぁ、個人差って奴だろ? コイツとなのはは違うんだ。資質が違うのも当然だろ。まぁ、似てた方がやっぱり自然に感じるけどな」


 ティアナの気まずげな表情に、ヴィータもやや眉を寄せてから答えた。
 すみれはすみれ。なのははなのは。わかっているとはいえ、一瞬とはいえ、思わず考えてしまう。何故、砲撃魔導師では無いのか、と。
 だが、そんな事は当然なのだ。だからこそ、一瞬でもそう思う事はすみれに対して失礼だ。…彼女とてそう生まれたいと望んだ訳ではないのだから。
 重い空気を3人が発していると、空気が張り詰め出した。3人は驚いて何事かと発生源を見つめた。そこには…ハルベルトを構えたすみれがいる。そのハルベルトは「セイバーフォーム」へと変形してあった。
 柄が両手で握れる程度の長さになり、ランサーフォームの刃が重なり、両刃の実体刃となる。その下にコアパーツ、カードリッジシステムがある。
 そして刃部分から伸びた魔力刃。それが急速な勢いで魔力を「集束」させている。だが巨大化する訳ではない。刃の隙間を埋めていき、密度を濃くしていくように刃は形成されていく。
 白桃色を失わずも、濃厚な厚みを持った魔力刃が展開され、それに3人の目が惹かれた。


「…おい。何だ、あれ」
「密度が…凄い、濃い」
「私のダガーとは…全然違う」


 三人が感嘆の息を漏らしかけた瞬間、異変が起きた。すみれが顔を顰めるのと同時に、魔力刃に揺らぎが生じ始めた。シャーリーがそれにハッ、として、ハルバードのデータをチェックしていく。


「フレームが…発熱してる!?」
「何だと!?」


 シャーリーの告げた事実にヴィータが驚愕の声を上げる。中身がストレージの為、通常のアームドと比べれば強度は落ちるとはいえ、基本的なフレームに使われているのはアームドデバイスのパーツだ。それが発熱するとは普通あり得ない事態だ。
 刀身が加熱し、このまま加熱を続ければオーバーロードもあり得る。すぐさま、3人が制止の声を挙げようとした時だ。


「…っ…!!」


 すみれが息を呑むのと同時に魔力刃の構成式を変更し始める。変更された術式。ハルバードはそれを正確に読み取り、その術式を起動させた。


『Variable Divine Saber』


 魔力刃が実体刃から浮き、空中で固定。刀身から離れて固定された刀身が熱を帯びたように次第に真紅へと染まっていく。だが、その刀身は離れる事なく白桃色の「繋ぎ」を持って実体刃の刀身と連結する。
 実体刃、白桃色の魔力の「繋ぎ」に紅蓮の刀身。その紅蓮の刀身からは熱が込められているようで周囲に揺らぎが生じている。
 更にその刀身全体を包み込む様に再び魔力刃が展開されてすみれの苦悶の表情が収まり、ゆっくりと大きく息を吐いた。
 それを見ていたヴィータが驚きの感情を瞳に込めて、すみれの展開した魔力刃を見つめた。


「…多層の…魔力刃、か?」
「一層の魔力刃に排熱させて…もう一層の魔力刃で実体刃の刀身を保護する…。最後に発熱した魔力刃を保護するように包み込む…」


 ヴィータの、半ば呆然とした呟きにシャーリーが驚きを秘めたまま、淡々とデータを解析しながら告げる。
 不可能では無い、と言えば不可能では無いのだ。魔力弾の話ではあるが、ヴァリアブルシュートという魔法がある。これは、攻撃用の魔力弾を膜状バリアでくるんだ多重弾殻射撃だ。
 要は、それを魔力刃に転用した物に近いだろう。排熱の機能が加えられているが、基本的に使われている技術は似たような物だ。


「…だけど、フレーム強度…見直した方が良いですね…」
「排熱機構を重点的にな。フォローをいれてるが…それでも、多様出来る物でもねぇだろ」


 単純に考えて、通常の魔力刃の3倍は魔力を使っているのだ。更には、それぞれの魔力刃にそれぞれ別の効力を与えているのだ。
 その制御などに加え、通常の魔力刃からは考えられない程の消費量は非常に効率が悪い筈だ。
 すみれは、しばらく刀身を見つめていると思いきや、それを何度か振るってから肩に担ぐようにして構え…。


『Saber Slash』


 勢い良く振り下ろし、魔力刃を、飛翔させて放った。
 解き放たれた三層の魔力刃は、本来、誘導操作も可能とする筈だが、負荷が多すぎたのか、誘導性を失ってそのまま直進していく。
 直進していく間にも、三層を保っていた筈の魔力刃は解け合っていき…紅蓮の刃の固まりとなり…地面に着弾。
 大地を抉りながらその紅蓮の刃は突き進む。その熱により地面を焦がし、粉塵を巻き上げていく。
 魔力刃が消え、粉塵が晴れた頃には…焼き尽くされた大地が、一文字を描いていた。
 焼き尽くされた大地を見て、ヴィータは呆然としたまま、呟きを漏らした。


「…こりゃ…見誤っていたな」
「…ヴィータさん?」


 呆れたような呟きを漏らすヴィータの顔をのぞき込むようにティアナはヴィータに視線を送る。ティアナの視界に映ったヴィータの顔は明らかに引きつっていて。


「コイツは…確かななのはのクローンだよ。全力全開の…馬鹿げた一撃…。まったく、らしいよ、本当に、な」


 引きつった笑みを浮かべたまま、ヴィータはそう感想を漏らし、すみれを見つめた。すみれもまた呆然とした様子で焼け焦げた大地をみている。本人も予想外だったのだろう。それに、やれやれとヴィータは肩を竦めさせて。


「すみれちゃん、一度ハルバード返してくれる? 調整し直さなくちゃいけないから」


 その間にもシャーリーがすみれに呼びかける。その呼びかけに、すみれは一度、ハルバードを見つめてから、小さく頷いて、小走りでシャーリーの下へと向かうのであった。
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