次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第13話 Bpart
2010/02/25 ThuOnly One Flowers
Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第13話「Get Set -Bpart-」



 すみれとの模擬戦を終えてすみれを部屋に入れて休ませてから、フェイトはすみれを休ませている部屋の隣の一室に立ち入った。
 そこにはティアナがいた。彼女はコンソールのキーを叩きながら情報を整理している所であった。それにフェイトが歩み寄り、表示されているディスプレイを覗き込みながら問いかけて。


「ティアナ。あれから何か変化は?」
「…沈黙です。尻尾すら掴めません」


 フェイトがすみれと模擬戦をしている間は、ティアナはこうして情報を集め続けていたのだが…その成果は正直乏しいと言えた。
 ジーク・インプレッサの動きが全く無いのだ。嵐の前触れのようで気味の悪い沈黙だ、とフェイトは思った。それはティアナも思っているようで不安と焦りを滲ませた表情を浮かばせて。


「…彼奴ら、何で夜天の書なんか欲したんでしょうね?」
「蒐集が目的かな…。あれは魔法を保存するだけじゃなくて魔力を貯蓄出来る媒体でもあるし…」
「カードリッジに蒐集による保存魔力…か」


 カードリッジによるブーストと、蒐集による魔力貯蔵。その2つに危機感を抱くようにティアナが呟いて手の指の爪を噛んだ。
 そのティアナの苛々とした様子にフェイトは落ち着かせるようにティアナの肩を叩いて。


「大丈夫だよ。絶対に捕まえる。今は堪えて頑張ろう」
「…はい」


 フェイトの気遣いにティアナが頷く。そこでティアナが慌てて話題を変えるようにフェイトの方へと顔を向けて。


「そ、そう言えばすみれの方はどうなんですか?」
「すみれ? うん。順調だよ。今日もデバイス壊したけどね」
「…やっぱり一般支給のデバイスじゃ駄目みたいですか? 」
「すみれの資質が集束だからね。それによって術式に過剰に魔力を込め過ぎちゃう癖でもあるみたいで、デバイスがすぐに根を上げちゃうんだよ」


 ティアナはフェイトから聞くすみれの話に苦笑を浮かべる。自分も、今使用している相棒「クロスミラージュ」の前に使っていたアンカーガンというデバイスを壊した記憶があるからだ。
 自身の能力の向上と共に付いて来れなくなった相棒だが、すみれのは違う。やはり、一般の魔導師とは一線越えている存在なのだと再認識する。
 その為に生まれたとはいえ、改めて感嘆の息を吐いてしまう。そこまで思ってすみれはそれを望んでいたか、と聞かれれば否なので、そう思うのは失礼か、と首を振って。


「シャーリーはインテリジェントよりアームドを使わせた方が良いかも、って呟いてたけどね」
「…アームドを?」
「すみれの資質はミッド式というよりは、ベルカ式寄りだって。私もそう思うし、シャーリーのデータからもそういう傾向が見られるって」


 それにティアナは意外そうな顔を浮かべる。フェイトはそれを見て少し疑問を思ったような顔を浮かべて。
 そのフェイトの表情を見て、ティアナはやや罰悪そうな顔を浮かべてから、頬を掻いて。


「いや、なのはさんのクローンなのに…って一瞬思っちゃいまして…」
「…うん。まぁ…やっぱりなのはは砲撃のイメージがあるからね。意外と言えば意外だよね…でもそれがすみれなんだ」
「…はい。わかってるんですけど…」


 それでも、一度持ってしまった先入観というのは離れない物だ。なのはのイメージはやはり砲戦魔導師としての姿だ。すみれがそうでない、というのは少し驚きを覚える。だが、個人差などあって当たり前なのだ。例え、それがクローンであったとしても。


「…とにかく、ティアナ、あんまり煮詰めないでね」
「わかってますよ。フェイトさんこそ、すみれとの模擬戦で疲れてるんじゃないんですか?」
「私は大丈夫だよ…。それじゃ、また後で」
「はい、また後で」


 互いに軽く手を振り合って、ティアナのいる部屋からフェイトは退室した。扉を後ろ手で閉めてから、隣の部屋、すみれがいる部屋に入る。
 部屋に入るとすみれはベッドの上で小さく寝息を立てながら眠っていた。それにフェイトは小さく笑みを浮かべて、すみれの傍へと寄っていく。
 すみれの髪を軽く撫でると、すみれがくすぐったそうに身を捩って。起きるかな、と思うが、すみれは起きる様子は無い。それに安堵の息を吐いてから、フェイトはそっとすみれの首と膝に手を入れて抱き上げる。
 すみれを抱き上げてからしっかりと抱え直し、布団をどけて、すみれをベッドに寝かせる。
 一連の動作から、すみれが何度か身を捩るのだが起きる気配はない。フェイトはそんなすみれを微笑ましそうに笑みを浮かべながら、そっと布団をかぶせてやる。
 そして、いざ立とう、と思った時に手を握られる感覚があった。すみれがフェイトの手を握ったのだった。


「…仕様がないなぁ」


 そう呟いてフェイトはしばらくその手を繋ぎながらすみれの寝顔を見つめるのであった。
 その後、シャーリーが様子を見に来ると、穏やかに眠るすみれの手を握りながらフェイトがベッドに俯せになるようにして、穏やかに寝息を立てている姿を見て微笑ましそうに笑みを浮かべたそうな。




 + + + + +





 それから更に数日後の事だ。すみれはティアナの監督の下、インターセプトトレーニングを行っていた。
 機動六課時代、ティアナがなのはに習っていた訓練用の魔力誘導弾を迎撃する訓練だ。
 本職の教導官と比べて精度は落ちるだろうが、それでも訓練程度にはなる。しかし本来ならフェイトの領分を何故ティアナが代わっているか?
 それは今日はフェイト病院にお見舞いに行っているからだ。どうやら、エリオとキャロも近々目を覚まさしそうだ、と医師から言われたのも絡んでいるらしい。上手く行けば話をしたりしているのかもしれない。
 なのはとはやての所にも寄ってくるのだろう。だから今日は遅くなるだろうと思ってティアナがフェイトに代わって訓練を行っていたのだが……。
 ティアナが撃ち出す誘導弾を、すみれは直射弾で撃ち落としていく。
 正直、ティアナは半ば本気になっていた。最初は色分けもしていた。しかし、良く撃ち落とすので、色は同じにした。だが、先ほどから色々誘導パターンを変えて試して見ても当たらないのだ。というより弾生成完了と同時に撃ち落とすのは正直いかがな物かと思い始めている。


「あんたねー…」
「……?」
「動かす前に撃ち落としてどうすんのよっ!? 訓練にならないじゃないっ!?」


 それもありかもしれないが、正直、やられるこっちは腹が立つ、とティアナは吠えた。
 それに叱られた子犬のように身を竦ませて、何度も頷き返すすみれにティアナは思わず額を抑えた。ちょっぴり自己嫌悪。


「…はぁ、とにかく…もう1回最初から行くわよ」


 そう言ってティアナは誘導弾を生成していく。今度はすみれも発生させた直後から撃ち落とすなどといった真似はしない。そしてティアナが動かし始めたのと同時に、全てを撃ち落とす。
 発生、動くのと同時に撃ち落とす。発生、動くのと同時に撃ち落とす。繰り返し…繰り返し…繰り返し…。


「………そう。喧嘩売ってるのね?」


 ティアナが頬を引きつらせ、据わった目つきで、すみれにクロスミラージュを向けた。確かに動かしてから撃ち落とした。だが正直、これではこの訓練の意味はほとんど無い。そこでティアナはすみれは誘導弾潰しだと言う事に気づく。
 発射速度及び速度。問答無用で叩き落とすその直射弾は、正直、誘導弾などに対して非常に有効な戦術かもしれない。だがやられた側としてはストレスが溜まる。しかも無益過ぎる。
 ティアナの目には、何だか、オロオロとしているすみれが映るが、仕事によるストレスと、ここで与えられたストレスが良い具合に混じってティアナは暴発寸前である。


「クロス…ファイヤ…ッ!!」


 その証拠が、ティアナの周りに無数に展開されている誘導弾のスフィアだ。なんだか狼狽えているすみれだが、動くまで撃ち落としてはいけないという言葉をしっかりと守っているようだ。
 そして、ティアナは問答無用でクロスファイアを放とうとして…。


「何やってんだお前は」
「…っ!? …ヴィータさん?」


 振り向いた先には赤毛の三つ編みに私服を纏った少女、ヴィータがいた。ヴィータはジト目でティアナを見て、ティアナは今、自分が何をしようとしたのかに気づいて、頬を朱に染めて気まずそうに顔を逸らしてから、スフィアを消す。
 そのティアナの様子に、すみれは胸を撫で下ろして安堵するように息を漏らして。ティアナはやや気まずげな空気を取り払うようにして顔を上げて。


「あ、あの、ヴィータさんはどうしてここに?」
「あん? あぁ、フェイトに頼まれてな。そいつのデバイスの試作品が出来たらしくな。一応、アタシ、教導出来るし? 様子見てくれ、って頼まれてな」


 どーせ仕事ねぇし、と頭の後ろで手を組むヴィータの姿に、ティアナはきっと、ジッ、としてられなかったんだろうなー、と漠然と思ったりした。
 はやてのリンカーコアが回復しない以上、仕事にも差し控える為、休暇扱いとなっているヴィータ。だが、ジッ、としているのは彼女には合わなかったのだろう。
 大方フェイトを経由して、はやてが頼んだのだろう。ヴィータの事を良く知る彼女の事だ。それぐらいしてもおかしくは無い。


「で…そのデバイスは?」
「あぁ、今シャーリーが…」
「お待たせしましたー!」


 持ってくる、と言おうとしたヴィータの声を遮って、シャーリーが手を振りながら走ってきた。その手には小さなケースがある。シャーリーは3人の所まで来ると、そのケースを開く。
 そのケースの中には、待機状態と思われるデバイスと、カードリッジが幾つか入っていた。


「はい…。すみれちゃん。貴方のデバイスだよ」


 シャーリーに示されたデバイスに、すみれは息を呑みながら自分の相棒となるデバイスに視線を送るのであった。
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