次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第11話 Apart
2010/02/22 MonOnly One Flowers
 管理外世界の1つ。その世界には荒廃した大地が広がっている。荒れたその大地に一陣の風が吹き荒び、土煙を上げていく。
 巻き上げられる土煙の中…転送の際に生じる魔力光が満ちる。転送の光に導かれるように世界に舞い降りたのは…幾つもの人影。
 その人影の中にフェイトとティアナの姿があった。フェイトとティアナに続くかのように、転送の光と共に現れたのは者達。彼等は周囲を見渡す。その中の一人が小さく呟く。


「ここか」
「そうだね。はやて…」


 そう。フェイト達と共にここへとやってきたのは…八神はやて。そしてそのはやての背後に控えるかのように、6人の騎士達が並ぶ。
 剣の騎士、シグナム。
 鉄槌の騎士、ヴィータ。
 湖の騎士、シャマル。
 盾の守護獣、ザフィーラ。
 蒼天の祝福の風、リインフォースⅡ。
 烈火の剣精、アギト。
 はやてに仕える夜天の騎士「ヴォルケンリッター」。彼等も含め、やって来た地はカリム宛てに送られた脅迫主が示した約束の地…。





Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第11話「夜天の書 -Apart-」



 時間は少し遡る。
 聖王教会の一室。そこはカリムの執務室だ。カリムの執務室には、フェイトとティアナ、シャーリー、そしてはやてとヴォルケンリッターの面々が集っていた。
 彼等が集った理由はただ1つ。ヴィヴィオを誘拐したジーク・インプレッサからのカリム宛ての脅迫状。フェイト達はその事件に関わる物として。はやて達は要求された物が元・所有者であった為に。
 はやてはカリムに宛てられた脅迫文の書かれた紙を見て、眉を寄せてから紙をテーブルの上へと置く。それから髪の毛を軽くかき混ぜるように手で掻いてから、小さく嘆息して。


「…どういうつもりなんかな?」
「…犯行の動機が読みづらいね」
「そう、ですね」


 はやての疑問の声に答えたのはフェイトとティアナだ。
 カリムに脅迫文を送ったのはなのはを撃墜したなのはのクローンの少女、アネモネ。その背後にいる黒幕、ジーク・インプレッサだと考える。
 だが、何故? 何故、彼等は夜天の魔導書、そして闇の書のデータを欲するのか?


「ユニゾンデバイスでも作る気か?」
「…だけど、ユニゾンデバイスのデータが欲しいなら…リインちゃんやアギトちゃんのデータの方を要求した方が良いんじゃないかしら?」
「シャマルさんの言う通りですね。わざわざ夜天の魔導書と闇の書に限定する必要は無いと思います」

 ヴィータの明らかに苛立ちが篭もった呟きに考え込むように顎に手を当てて眉を寄せるシャマルが答える。そのシャマルの答えに同意するかのようにシャーリーが頷きながら告げる。
 確かにシャマルの言う通り、「ユニゾンデバイス」のデータを欲するなら、敢えて夜天の魔導書と闇の書のデータを指定する必要が無いようにも思える。ユニゾンデバイスを作るとして、既に完成形であるリインがいれば事足りる筈だ。欠陥品とも言える闇の書のデータを欲する理由が見えてこない。


「…って事は、ユニゾンデバイスが目的じゃないって事か?」


 話の流れから推測して、アギトが腕を組みながら周りを見渡しながら言う。
 アギトの言葉に皆が眉を寄せて口を閉ざした。恐らく相手の目的はユニゾンデバイスだけでは無い筈。
 だが…だとして、何が目的だと言うのか? そこが読めない。わからない。


「古代ベルカ式の術式を狙っているのですかね?」
「しかし高町を撃墜したアネモネという者はもう高町を倒せるだけの実力を有している」
「つまり、それだけの完成度を見せているという証明でもある。ベルカ式を取り入れる必要もあるまい。取り入れたとしても近代ベルカ式で事足りる筈だ」


 リインの考えにシグナムが呟きを漏らす。そしてそれに続くザフィーラの駄目出しだ。
 ザフィーラの言葉を聞いてから、それもそうですか、とリインが眉を寄せて頷いて。
 重くなる空気。読めない相手の狙い。そこから来る苛立ちにヴィータは頭を両手で掻きむしって。


「だーっ!? 意味わかんねぇっ!? 何考えてるんだ!?」
「落ち着き、ヴィータ」
「…わかってる。わかってるけどよぉ…っ!!」


 苛立ちから叫ぶヴィータにはやてが落ち着かせるように、咎めの言葉を投げかけるが、ヴィータはそれでも苛立ちが収まらない様子で唇を噛み締めた。
 なのはが撃墜され、ヴィヴィオが誘拐されている。そんな状況でヴィータが落ち着けるか、と問われれば、それは否と答える者が多いだろう。
 ヴィータにとってなのははそれだけ親しい間柄であるのだから。「J・S事件」解決後、なのはに誘われ航空教導隊にも入隊した為、同僚とも言える間柄になり、それも絡んだのだろう。
 更に、ヴィータにとって忌々しい記憶の再現を行われたのだ。なのはが目の前で落とされるという、あの思い出したくもない苦々しい記憶。
 あの時と同じようになのはが傷付けられたのだ。感情的になりやすいヴィータに押さえろ、というのもまた無理かもしれない。
 犯人への憤怒の感情はそのままヴィータの不機嫌へと繋がり、ヴィータの心を荒立てさせる。


「…敵の狙いがどうあれ…放っておけないわ」
「…カリム」


 カリムが眉を寄せ、複雑そうな表情を浮かべながら、皆を見渡すようにしてから言う。それに心配気に彼女の名を呼んだのははやてだ。
 誘拐されたヴィヴィオ。それと引き替えの取引。これは聖王教会として動かざるを得ない。彼等にとって「聖王」は信仰の対象であるのだから。
 故に、「聖王」の生まれ変わりとも言えるヴィヴィオはなんとしても救出しなければならない。
 彼女の出生を知る者はさほど多くは無い。だが、いつ「信仰」の対象として祭り上げられてもおかしくはない。そこはカリムが中心となって、ヴィヴィオの自由を護る為に動いているのだ。
 だが、もし、ヴィヴィオの命が失われる事にでもなったら?
 カリムへの責任追及は免れないだろう。最悪、カリムの権力は失われ、カリムはただカリムの保有するレアスキルを使う為に生かされるだけの飼い殺しの状況へと至る事も考えられる。
 自分の保身に関しては、脳裏を掠めるだけで、さして重要ではない。ただあの少女、ヴィヴィオの笑顔が失われる事だけは何としてでも止めなければならない。


「シャッハに頼んで…データの用意は終わってるわ」
「…わかった。交渉には、私等が行く」
「人数の指定はないしね…。上手く行けば、その場で取り押さえられる」


 そして、彼等は頷いた。必ず、ヴィヴィオを助け出すと決意を固めながら。
 彼等はその後、「夜天の魔導書」及び「闇の書」のデータを持ち、指定された次元世界へと向かった。
 そして…時は冒頭へと戻る…。





 + + + + + +





 時刻が指定された時間を記した。
 フェイト達と距離を取るように転送によって生じる光が満ちた。転送の光が消え、土煙が巻き上がる大地に1つの人影がそこに立つ。
 それは少女だ。漆黒のバリアジャケットを纏う少女。その姿に、誰もが目を細めた。


「…随分なお出迎えだね」


 向けられる視線にその少女、アネモネは笑みを浮かべた。薄らと浮かべたその笑みは彼女の「オリジナル」とは懸け離れた物。他者を見下したような冷徹な瞳。
 その姿を見て牙を剥き出しにしてヴィータが一歩、踏みだす。それにシグナムが制止するようにヴィータの前に手を翳す。
 ヴィータはそれに何か言いたげにシグナムを見るが、すぐに舌打ちをして視線を逸らす。空気が張り詰めていく。そして、重く彼等の肩へとのしかかって。


「…時空管理局所属、フェイト・T・ハラウオンだ。人質は…」
「アンタ等がデータを渡せば、あのヴィヴィオだっけ? 生きているウチに帰してあげるよ?」
「テメェ…ッ!!」
「ヴィータ!!」


 アネモネの一言に今度こそ飛びかかりそうになったヴィータをはやてが諫める。
 リインがその空気の重さに気圧されたように表情を歪め、アギトもリインと同様なのか顔を顰めている。
 フェイトははやてに目伏せをする。それにはやてはそれを見て、小さく頷いて見せる。


「先に、人質の解放を要求する」
「はいそうですか、って言うと思ってる? 私は別に良いんだよ…? 全員殺してから奪ってもさぁ…?」


 挑発するように、アネモネが言う。明らかな上からの目線にフェイトが不愉快気に顔を顰めるが、小さく溜息を吐いて。
 それを見てからはやてがフェイトの隣へと立ち、アネモネの方へと何かを投げ渡す。それをアネモネはキャッチして。
 アネモネの手に収まったのは1つのチップだ。夜天の魔導書、そして闇の書のデータが入れられたそのチップ。シャッハがカリムに頼まれ用意した物だ。


「お前が要求していたデータや」
「…ふぅん…これが、ね」


 はやての言葉を受けて、明らかに疑わしそうにそのチップを見て。
 そして、首にかけていた待機状態のデバイスを取り出す。だが、それは彼女の扱う「アクゼリュスハート」とは別の型の物だ。
 そして起動の光が満ちてアネモネの手の内に現れたのは、一冊の書だ。それを見て、はやては眉を動かし、リインは目を見開かせた。
 そのアネモネが手に持っているのははやてとリインがそれぞれ持つ「夜天の書」と「蒼天の書」と同型のデバイスだからだ。
 アネモネが、その本型のデバイスにチップのデータを取り込んでいる。取り込みに乗じて本型のデバイスが淡く光を放っている。
 そして取り込みが終わったのか、本型のデバイスが光を失う。そして、アネモネは笑みを浮かべて。


「確かに。夜天の魔導書と闇の書のデータ。貰ったよ」
「そちらの要求は果たした。今度は…」
「はいはい。せっかちだね…本当。…パパ、お願い」


 フェイトの鋭さが入った声に、肩を竦めて、呆れた様子を見せながらアネモネは通信を開いて、告げる。
 一同の緊張が高まる中、転送の光が満ちる…。
 転送の光が失われた時、そこに立っていたのは、両手を縛られたヴィヴィオの姿だ。
 ヴィヴィオはフェイト達の姿を確認してから、一瞬驚いたような顔をしてから、そしてアネモネへと視線を向ける。
 それにアネモネがフェイト達の方へと視線を向けて。


「…サーチしたければしても良いよ? どーせ信用無いだろうし? でもさー。別に、アンタ等騙す必要無いから小細工とか本当に無いけどね?」
「…バルディッシュ」


 アネモネの薄ら笑いと共に告げられた挑発の言葉に感情を押し殺した表情を浮かべたフェイトがバルディッシュを向け、現れたヴィヴィオをサーチする。
 目の前のヴィヴィオのバイタルを確認し、バルディッシュが判断を下す。


『間違いなくヴィヴィオ本人です』


 バルディッシュの返答は、アネモネにも聞こえていたのか、アネモネがヴィヴィオの両手の拘束を外す。
 それから首でフェイト達の方へ行け、と告げるかのように動かして。アネモネの動作を見たヴィヴィオが一瞬戸惑うような表情をするも、まず一歩、フェイト達の方へと寄ってからフェイト達の方へと向けて走り出す。


「今やッ!!」


 その瞬間にはやての号令が響き渡った。はやての号令に従い、ヴォルケンリッター達がアネモネへと駆け出した。
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