次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
■■■スポンサーサイト
--/--/-- --スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第7話 Apart
2010/02/21 SunOnly One Flowers
 転送によって生じる光と共に、ティアナ、スバル、そして少女がその世界へと降り立った。
 その世界は、エースオブエースである高町なのはが撃墜を経験した世界。白銀の雪に覆われた世界。
 そして、三人がそこで見た物…。彼女等は、それに釘付けとなってしまった。

 宙を舞う、一人の女性。いや、それは正確には、舞うのではなく、落下。
 力を失ったように、崩れ落ちていく。それに、ティアナとスバルの目が見開かれる。
 その女性を、彼女達は知っていた。


 その女性の名は、高町なのは。時空管理局において「エースオブエース」としてのその名を知らぬ者は少ないだろう。それだけの実力を有し、功績も納めているのだから。


 そのなのはが、力を失って墜ちていく。
 そしてそのまま、雪に埋もれるように、墜落…。


「…なの、はさん?」


 呆然と、スバルが呟いた。信じたくない光景が目の前で起きた。高町なのはが墜ちた。そのショックからスバルは抜け出せない。スバルと同様に、ティアナもまた、ショックから動けない。
 互いに動けぬ中、その声は響き渡った。


「あは、あはははッ!! あはははははははははっ!!!!」


 それは、狂ったように笑い続けている一人の少女の笑い声。それを見て、スバルとティアナと共にいた少女は大きく目を見開いた。
 そこに、少女と瓜二つの少女が、狂気に染まりながら笑っていたのだから…。




Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来=  第7話「悲劇、再び -Apart-」




 時間を、ティアナ達が転移してくる前まで戻そう。
 白銀に染まる世界。その寒空の下、そこで相対し、交錯する2つの影。
 かたや、白いバリアジャケットを纏い、桃色の誘導弾を操作し、牽制を行う高町なのは。
 かたや、黒いバリアジャケットを翻し、濃桃色の誘導弾を高町なのはに向けて放つアネモネ。
 アネモネが接近しようと、何度も、その背の魔力によって作り上げられた翼を広げ、突撃する。それを牽制するようになのはがアクセルシューターを放つのだが、アネモネの放った大型の誘導弾は、なのはのアクセルシューター1発では止まらない。


「くぅっ…!?」
「ほらほらほらぁっ!! どうしたのっ!? こんな物なのかなぁっ!! エースオブエースッ!!」


 少女の放つスマッシュシューターと呼ばれる大型の誘導弾が再びなのはを狙いながら飛翔する。それをなのはは撃墜させようと、シューターを放つのだが、シューター同士の相性が悪い為、なのはが分が悪い。
 元々、なのはの扱うアクセルシューターは、彼女の主砲である「ディバインバスター」などの魔法を使用する為の牽制弾であり、単独で敵を倒す力はあまり強くは無い。
 だが、それでもそれは十分な脅威であり、その誘導の性能と数から十分に圧倒出来る程の性能を秘めているのだ。
 それは、過去の話となるが、彼女が鉄槌の騎士と呼ばれる古代ベルカ式の騎士の防御をアクセルシューターのみで罅入れた事からもわかる事であろう。
 だが、そのアクセルシューターも、アネモネ操るスマッシュシューターとは相性が悪すぎる。
 スマッシュシューターは、アクセルシューターと違い、単独で敵を倒す為に設定され、その密度も威力もアクセルシューター以上だ。アクセルシューターで撃ち合うには分が悪すぎる。
 だが、なのははアクセルシューターで対応する以外に手が無いのだ。その理由は、相対するアネモネの戦闘スタイルに問題があった。
 高町なのはの戦闘スタイルは、アクセルシューターなどの誘導弾を用いた牽制で距離を取り、圧倒的な砲撃で撃墜する、というのが高町なのはの戦闘スタイルだ。
 対して、アネモネの戦闘スタイルは移動砲台とも言えるスタイルだ。高速で飛び回りながらも、強烈な誘導弾を用いて敵を撃墜する。
 距離を取るために、牽制を主な目的で使用するなのはと、突撃の補助の為に魔力誘導弾を扱うアネモネ。相性が悪すぎるのも、なのはの劣勢に絡んでいた。
 だが、それを可能にするのは、並大抵な事ではない。そこは、アネモネのポテンシャルの高さが伺えると言えよう。


(つ…強い…っ!? 魔力量も…魔法も、技術も何もかもが…っ!!)


 魔力量は明らかに己より上であり、魔法の威力も背筋が凍る物ばかりだ。
 そして、技術も、ヘタをすれば自分以上である。だが、それはなのはの知る所ではないが、当然の事かもしれない。アネモネはなのはのクローンであり、彼女を越える為に狂気に狂った男の最高傑作と言えるのだから。
 力の差を感じ取り、なのはの顔に次第に焦りの色が浮かんでくる。
 そして、彼女は決意を固めた。ここは、勝負に出るしか無い。そう心に決めて、なのははレイジングハートに告げる。


「レイジングハート! ブラスター…3ッ!!」
『…Master!?』
「このままじゃ…負けるッ!!」
『…All light!!』


 なのはのバリアジャケットがロングスカートの物へと変化する。それはエクシードモードと呼ばれるなのはの「戦闘用」のバリアジャケットだ。更に、なのはに付き従うように、レイジングハートのヘッド部分と良く似たビットが出現する。
 ブラスタービット。それはなのはの正真正銘の本気の証だ。
 ブラスターモードとはブラスターシステムと呼ばれる、使用者とデバイスの両方の能力を最大まで強化するシステムだ。ブラスタービットもこのモードの際に使用される。
 だが、それは当然の如く、彼女とそのデバイスに負担をかける事となる、まさに「最後の切り札」だ。


「あはははっ!! 遂に出したっ!! 「ブラスター」だっけ!? それが貴方の本気!? 良いよっ!来なよっ!! 全部潰すからさぁっ!!」


 ブラスターモードを発動させたなのはを見て、アネモネが笑う。
 それは、明らかな歓喜を含んでいた。そしてそのまま、愉快としか言いようがない笑い声を上げながら、アクゼリュスハートを振るった。同時に、アクゼリュスハートより翼が展開される。
 なのははその光景に見覚えがあった。ソレは、己の持つデバイス、「レイジングハート」にも搭載されているシステム。


「A.C.S…ッ!?」
「ご存知、その通りぃっ!! アクゼリュスッ!!」


 アクゼリュスハートから展開された翼がより大きく肥大化し、アネモネの飛翔の速度が尚跳ね上がる。その速度になのはは驚愕を覚え、目を見開いた。
 アネモネは、翼の開いたアクゼリュスハートをなのはに向け、そして飛翔の為の力を高め、突撃する。
 こちらに向かって突撃してくるアネモネに、なのはは咄嗟にラウンドシールドを展開し、いなすようにかわす。衝突の際に受けた衝撃に顔を歪めるも、なのははすぐさま、迎撃の態勢を取る。
 そのまま背を向けて飛ぶだろうと予測し、アネモネに、半ば反射の如く、レイジングハートを向けようとしてなのはは見た。
 少女の背に展開された魔力の翼が、無理矢理、少女の機動を変えている。それによって再び空を駆け抜けていくアネモネの姿を、なのはは半ば呆然と見ていた。
 なのはは、感じ取っていた。彼女の扱っているデバイスは、かつて自分が使っていた物と同じだ。かつて、自分が撃墜の原因を作ってしまう要因となった…「エクセリオンモード」と。
 そして、そのエクセリオンによって底上げされた魔力に、A.C.Sの加速力を無理矢理方向転換させる。正直言って、無茶の何者でも無かった。ブラスターよりも危険なのではないか、となのはは背筋に震えが走った。


「そんな使い方したら、身体が保つ筈無いのにっ…!?」


 ただでさえ、負担のかかるデバイスを使い、そして、それに魔法によって更なる負担を重ね、それをリスクとして払いながらも、強大な力を得ようとする少女に戦慄を隠しきれないなのは。
 それに、アネモネがなのはを睨み、叫んだ。その瞳に、確かな憎悪の色を秘めて。


「お前と、一緒にするなぁっ!!」
「っ!?」
「欠陥品のお前とは違うんだっ!! 私は、扱いこなせる!! そしてお前を倒して、パパに愛して貰うんだっ!! ずっと一緒に、いるんだっ!!」


 その叫びに、なのはは違和感を感じ取っていた。彼女は常に自信に溢れている。筈なのに、私を比べる事が多く無いか?
 自分を誇っている筈なのに、私を比較の対象として見る。そこに、なのはは矛盾を感じた。


「アネモネちゃん、だったよねッ!! なんで…何でそうも私と比べるのっ!? 貴方は私より強いと思っている筈なのに、何で私と比べようとするの!? それじゃあ、まるで…」


―――怯えてるみたいだよ。

 そう告げようとしたなのはは、告げられなかった。


「それ以上、言うなぁああああっっっ!!!!」


 それは、憎悪の篭もった叫びだった。殺気を篭もった目でなのはを睨み付け、その手に握ったアクゼリュスハートの穂先をなのはに向けて、魔力を爆発させるように解放。それによって加速をつけ、なのはへと一直線に突撃していく。
 回避は間に合わない。そうなのはは判断した。その判断を下し、一瞬の間になのはは距離、速度、時間、その全てを算出し、なのはは前方にラウンドシールドを展開した。


「そんな物ぉっ!!!」


 そして、衝突。なのはのシールドが一気に歪む。たった一撃で、鉄壁を誇ったなのはのシールドが消えかける。
 それは、一体どれだけの威力だったのだろうか。そして、その槍の威力はまだ死んではいない。シールドを突き破り、なのはへと突き刺そうとした所で。


「今ッ!!」
「っ!?」
『Short Buster』


 なのはの声と同時に、レイジングハートが魔法を起動させる。それに応じて、4つのブラスタービットから砲撃魔法が放たれる。それはなのはの主砲魔法である「ディバインバスター」の派生魔法の1つである、距離と威力をある程度殺す事によって、速射性を高めたなのはの最速砲撃である。
 それは、なのはの眼前にいるアネモネを飲み込む。なのははそれに勝機を確信する。さすがに、威力を犠牲にしているとはいえ、四つの砲撃を同時に喰らって無事で済むとは思えない。後はここから畳みかけて行く。


――だが…そのなのはの思考は裏切られた。


「高町なのはぁぁああッッ!!!!」
「なっ!?」


 バリアジャケットが吹き飛ばされ、ボロボロになりながらも、アネモネがこちらに突っ込んできたのだ。
 明らかにダメージは入っている。軽くも無い筈だ。だが、それでもアネモネは咆哮を上げ、なのはへと喰らい付こうとする。それは、明らかに常識を越えた行動だ。その行動は彼女の憎悪と執念が為せる技なのだろうか。
 シールドは既に破られている。なのはを護るのはバリアジャケットだけだ。
 憎悪の篭もった血走った目で、なのはを睨みながらアネモネがその手をなのはへと伸ばした。突然の事に対応が追い付かないなのはは、その手を止める事が出来ず、アネモネに首を掴まれる。


「ぐっぁ…っ!?」
『Master!?』
「お前さえ、倒せば!!」


 首を折るような勢いでアネモネがなのはの首を掴み、圧迫する。
 そして、アクゼリュスハートをなのはの腹へと押し当てた。それになのはが焦りと苦悶の入り交じった表情を浮かべ、アネモネを引き剥がそうとするが、彼女は接近戦において分が悪すぎる。
 戦う為にその肉体を強化されているアネモネとは比べられるわけもなく、彼女の抗いの力はあまりにも無力だ。


「私は…もう、何も、何もぉっ!!」
『Charge』


 なのはの腹へと押し当てられた銀槍から、濃桃色の魔力光が輝く。首を絞められる苦悶に顔を歪めながら、なのはは見た。
 アネモネの表情が、憎悪と…そして、憎悪とは別の色で染まっているのに。
 その複雑に混ざり合った表情のまま、彼女は感情が赴くままに叫んだ。


「ここで、墜ちろォッ!! 高町なのはぁっ!!」
『Vicious Buster』


 そして、濃桃色の砲撃が彼女に零距離で叩き込まれた。その衝撃に、なのはは悲鳴を上げる事も出来ず、ただ、その圧力に呑まれた。
 そして、アネモネの手が離されるのと同時に、なのはは、地へと落ちて行った…。

 その光景は…まるで、8年前のあの日を繰り返すかのように…。
スポンサーサイト
トラックバック(0)+ +コメント(0)
Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第7話 Bpart ≪ BACK ≪ HOME ≫ NEXT ≫ Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第6話 Bpart

管理者にだけ表示を許可する
HOME
FC2カウンター
FC2カウンター
現在の閲覧者数:
ブログ内検索
リンク
カテゴリー
最近のコメント

 
 
 
 
 
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。