次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第4話 Bpart
2010/02/10 WedOnly One Flowers
Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来=  第4話「変動 -Bpart-」




 人の偶然とは数奇な物である。その数奇な偶然に彼女は出会った。
 それが、後にどのような結果を生み出すのか、それは今の彼女にはわからない。
 そう、スバル・ナカジマにとって、それは、少し変わった日常に過ぎなかったのだから。


「んー…良い天気だなぁ」


 スバルは背筋を伸ばしながら、クラナガンの街並みを歩いていた。今日は局員の仕事もオフであり、のんびりと休暇を楽しんでいる所なのであった。
 スバルの目当ては、彼女の好物であるアイス。最近仕事続きでおあずけとなっていたアイスを求めて、スバルはこうして、クラナガンへとやってきた、という訳だ。
 目当てのアイス屋へ、足を向けていたスバルだが、そこで、思わぬ人影を見た。


「…あれ?なのはさん?」


 スバルの視線の先、そこには彼女の知り合い。彼女の憧れの女性である「高町なのは」の姿があった。こんな街中で見かけるなんて偶然だな、と思い、声をかけようと思った時だ。
 遠目だったスバルには最初はわからなかったが、近づくにつれ、なのはのその表情が見えたのだ。その表情は、明らかに何かに対して焦っているとわかる表情。
 そのまま、なのはは走っていく。彼女は車など持ち合わせていない為、基本的な移動は徒歩の移動となる、という話をスバルは聞いていた。
 だから、彼女をクラナガンで見かける事はそんなに珍しい事では無い。彼女は保護した子供、ヴィヴィオという少女と共にクラナガンの付近に住んでいるのだから。ちなみに、ヴィヴィオはそこから彼女の通学している学院「ザンクト・ヒルデ魔法学院」に通っている。


「…なのはさん、なんか、様子おかしかったな」


 思わず、声をかけ損ねてしまう程、なのはの様子は尋常では無かった。一体何かあったのだろうか?あまり深入りするのもどうだろうか、と思い、スバルはその場に立ちつくし、しばらく唸る声を挙げながら悩んでいたが。


「…やっぱり、心配だし」


 追おう。そう決めたスバルの行動は速かった。なのはの後を追って、人混みの中を走っていく。



++++



 スバルが意を決してから、どれだけ走っただろうか。スバルの悩んでいる時間が長かったのか、それとも、なのはがそれだけ焦って走って行ったのか、なのはの姿がスバルの視線に入る事はない。
 そして、いつしかスバルは、なのはの住んでいる家まで来てしまった。


「…どうしよう」


 思わず、入り口で立ちつくすスバル。家の中に入るべきか、入らないべきか、どうするか悩んでいると、家の方が何だか騒がしかった。
 気になったスバルがのぞき込もうとした瞬間、なのはが物凄い勢いでこちらに向かって走ってくるのが見えた。声を掛ける暇もなく、スバルはその場から退ける。
 なのはは、スバルに気づいていないのか、そのまま、元来た道を走っていってしまった。思わず、呆然とするしか無いスバル。


「…どうしたんだろう?」


 明らかに尋常な様子ではない。一体何があったのか、不安に思うスバルの前に、一人の女性が姿を見せた。その女性は、瞳に涙を浮かべ、額に汗を浮かべながらスバルの顔を見て、スバルに縋り付いた。


「スバルちゃん!ヴィヴィオちゃんがっ、ヴィヴィオちゃんが!」
「あ、アイナさん!?」


 スバルに縋り付いたその女性は、アイナ・トライトン。かつて、スバルがなのは達と共に作った部隊「機動六課」の寮の寮母を務めていた女性だ。機動六課時代は、当時、保護したヴィヴィオの面倒を良く見ていた。
 今は、その付き合いから、なのはとヴィヴィオの要請によって高町家のホームキーパーとなっている。
 そのアイナもまた、尋常じゃない様子を見せ、スバルの両肩を掴んで何かを訴えるかのように揺さぶりながら涙を零している。しきりに、ヴィヴィオの名を呼びながら。


「ヴィヴィオに何かあったんですか!?」


 ヴィヴィオに何かあった。だからか、とスバルは納得した。なのはとアイナ、この二人がここまで尋常じゃない様子を見せるのは、なのはの子供であり、アイナが面倒を見ているヴィヴィオに何かがあったから。
 スバルは、自分を揺らすアイナの肩を掴んで、事情を確認しようとする。アイナは、ただ、涙を零しながら、半ば、半狂乱とも言える状態になりながらも、スバルの問いかけに答えた。


「さっき、ヴィヴィオちゃんと帰って来たら、知らない女の子がいきなり出てきて。そしたら、気づいたら気を失ってて、ヴィヴィオちゃんがいなくてっ!」
「誘拐されたんですか!?」


 スバルの驚愕の声に、アイナはもう、言葉にならず頷くだけだ。


「それで、書き置きがあったの。そこに場所が指定されてて、なのはさん一人で来ないと、ヴィヴィオちゃんを殺すって!」


 つまり、犯人はなのはを狙って犯行に及んだという事だ。それに、スバルは驚愕を隠せなかった。彼女は管理局でも「エースオブエース」として、数多くの偉業も成し遂げ、人当たりも良い、善良な人間だ。そんな彼女が怨みを買うとは思えない。
 だが、可能性はいくらでもある。いくらスバルが驚きを覚えようとも、現実としてヴィヴィオは攫われ、なのはは単身、犯人の要求に従って飛び出して行った。
 だが、誰がどう見ても罠だ。集団での犯罪もあり得る。余りにも、なのはの行動は迂闊だ。


(…だけど)


 ヴィヴィオが攫われたと知って、冷静でいられる人じゃない。それに、彼女を保護した当時の事もある。
 なのはに保護されたヴィヴィオは、かつて、ベルカの支配者であった「聖王」のクローンなのである。その出生故に、「揺りかご」というロストロギアの鍵として誘拐され、更には操られ、なのはと戦い合った事もある。
 だからこそ、なのはは過敏に反応してしまったのかもしれない。冷静でいられなくなる程までに。


(どうしよう、こんな時どうすれば…!?)


 スバルは困惑する。犯人の目的は、恐らくなのは。だが、もしかしたらヴィヴィオの可能性もある。早く何か手を打たなければ、どちらかが、またはどちらも失われてしまうかもしれない。
 だが、スバルもまた、頭が真っ白となっていた。どうすれば良い、と思考だけがぐるぐると巡る。


(こんな時にティアナがいてくれれば……)


 そして、脳裏に、相棒であったオレンジ色の髪を持つ親友の姿が浮かんだ。執務官となった彼女は、常に冷静で、ここにいてくれれば、何か対応してくれたかもしれない…。
 そこで、スバルは思わず、天啓を受けたように顔を上げた。


(そうだ、ティアナに連絡を取れれば何か対策を立ててくれるかもしれない!!)


 そう思い至ったスバルの行動は迅速であった。なのはを、ヴィヴィオを救うために。二人を救うために、ティアナとの連絡を取り合う為に。





++++++++





 ある次元世界に転送によって誰かが送られてくる時に生じる光が見られた。そこに転送されてきたのは、一人の女性。時空管理局の、正確に言うならば戦技教導官の制服に身を纏った女性。
 年の頃は20ほど。茶色のサイドポニーの髪を揺らし、辺りを見渡すように視線を巡らせた。


「…ヴィヴィオ…」


 呼ぶのは、愛娘の名。そう、彼女こそ、高町なのは。
 彼女の心境は、愛娘の安否の程どうなのか、それしか無い。あの自分に向けてくる可愛らしい笑顔を浮かべる彼女の顔を探し、焦燥に胸を駆られる。
 泣いていないか。怖い思いはしていないだろうか。ただ、ただ心配だけが胸を過ぎり、なのはの胸を、強く締め上げる。


「…来たよ。一人で来たよ!!ヴィヴィオを返して!!」


 なのはは、喉が張り裂けんばかりの声で叫んだ。だが、その声に反応は返ってこない。
 辺りを見渡しながら、なのはは表情を顰めた。なのはの目の前に広がるのは、銀世界。一面、雪が降り積もったその場所は、なのはにとって忌むべき場所。
 そう、何故なら…ここは…。


「8年前…。ここで、お前は墜ちた」
「!?」


 過去に情景に気を取られかけたなのはが、突然生じた声に振り向く。銀世界の中、そこに佇むのは一人の少女だ。


「…え…?」


 その時、なのはは、どんな顔をしていたのか、自分ではわからない。ただ、ヴィヴィオの安否も、過去の情景も、その時、彼女には無かった。


「会いたかった。ずっと、ずっと証明したかった。この地で。私が産まれる要因となったこの場所で…ようやく、証明出来る」


 目の前にいるのは……「自分」と同じ顔を持つ少女だったから。


「会いたかった…会いたかった!!会いたかったよ、欠陥品のオリジナル!!高町なのはぁっ!!!」
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