次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来= 第4話 Apart
2010/02/10 WedOnly One Flowers
 どうして、と。考えれば程増えていく不思議を、ずっと不思議に思っている。不思議が止まらなくて、自分がわからない。どこにいたのか。自分が誰なのか。どうすれば良いのか。
 だから、待ち続けてる。この頭を撫でてくれるあの金色の温もりを。
 だけど、まだ、今日は来ない。いつ来るかわからないから、ただ、ぼんやりと待つだけ…。



Only One Flowers =選び取ったそれぞれの未来=  第4話「変動 -Apart-」




 その日は、自分でもかなり機嫌が悪いと、ティアナ・ランスターは自覚していた。
 その理由はハッキリとしている。先日、気分の悪い犯罪者の犯罪行為を間近で見せられた事。それに加えて…かつての同僚が、犯罪者との交戦によって負傷したという事。


「…はぁ」


 機嫌が悪いからといって、当たり散らすのはどうかと思い、代わりに溜息を零す。
 ここは病院。あの後、保護した少女のお見舞いを終えて戻ってきたフェイトとシャーリーと情報の整理。そして書類の作成をしている時に舞い込んだ報だった。
 エリオとキャロが重傷だと言う事。それを聞いたフェイトは顔が一瞬にして真っ青になった。疲労も祟ったのか、その場に立っていられない程、フェイトの方も駄目になってしまった。
 その後、なんとか持ち直したフェイトだが、今は、エリオとキャロの病室で二人を見舞っている。幸い、命に別状は無いとの事で、その点に関しては安堵の息を吐く所だ。
 だが、タイミングが最悪だった。ただでさえ、懸念していた親友のクローンが産み出されたという事実と、そのほとんどが虐殺されたという事実。どれだけ、それはフェイトの心を痛めつけていたのだろう?
 そして、極めつけのエリオとキャロの負傷だ。これは、しばらくフェイトを休ませた方が良い、とシャーリーと話し合った上で出された結論だった。元々、ショックな事に、更にショックな事が重なったのだ。これ以上彼女に仕事をさせるのは酷だ。


「…それはそうだと思うんだけど」


 再度、ティアナは重たい溜息を吐き出して、思わず心の中で呟く。


(…なんで私があの子の所にいかなきゃならないのかな…)

 そう。ティアナは昨日、フェイトと共に保護した子の様子を見に行く羽目になってしまったのだ。シャーリーは別件の用事、エリオとキャロのデバイス、ストラーダとケリュケイオンに残された記録から、一体誰に襲撃されたのかを特定する為、技術部の方へと行ってしまっているのだ。
 よって、ティアナに告げられた仕事というのが、その保護した子の様子見だった。
 ティアナは子供が得意な性格はしていない、と自負している。実際、人付き合いも得意な方でもない。だから、様子見と言われても正直、困る。こういったのはフェイトの役割なのだが、そのフェイトは今はエリオとキャロに付きっきりだ。
 ままならない物ね。そう一言感想を零すしかない現状に、ティアナは先ほどから吐きっぱなしの溜息を再び吐いた。
 重たい足が、遂に少女の病室へと辿り着いてしまった。そこで足が止まり、ティアナは諦めたように頭を垂れさせた。心境的に、もう、腹を括るしかない、と言った感じだ。


 軽めのノックを入れてから、僅かに間を置いてティアナは病室へと入っていった。
 保護した子が、声が出ないというのはフェイトからの事前の情報で知っている。よって、返事を待つ事はしなかった。
 開いた病室の扉。ノックの音で、誰かが来たのを察知していた少女はティアナの方へと視線を向けていた。
 その視線を受けて、ティアナは、うっ、と息を詰まらせた。何から話せば良いのかさっぱりわからない。子供とのコミュニケーション能力が明らかに不足しているティアナに、いきなりこの状況で立ち回って見せろ、というのは少々酷かもしれない。
 一方、少女の方はというと、入ってきた人物がフェイトでなかった事の落胆と、初見の相手に警戒する視線をティアナに向けていた。ティアナの表情が顰められていたのも警戒の視線を向ける理由の1つかもしれない。
 互いに、硬直。嫌な沈黙な時間が流れ、それに屈したのはティアナだった。


(あーもう、なるようになれっ!)


 彼女が選んだ選択。それは思考の放棄。後はなるようになれ、という投げやり思考の物だった。ティアナは意を決したように少女の方へと歩み寄っていき、近くにあった椅子を引き寄せ、その椅子に座る。そうすれば、少女との視線の高さはほぼ変わらなくなる。
 少女が警戒するように、眉を寄せながらティアナを見ている。それに、ティアナは1つ、重たい溜息を零してから。


「私はティアナ。ティアナ・ランスター。今日はフェイトさんが来れないから代わりに来たの」


 まずは自己紹介をし、フェイトの名前を出して状況を説明する。フェイト、と聞いて少女がティアナに対しての警戒を解いた。目をぱちくり、とさせてから、フェイトが来れない、という言葉に気づき、明らかに気落ちした様子で頭を垂れさせた。
 それから、やや、怖じ気づいたようにティアナにチラチラと視線を向けている。彼女もどうすれば良いのかわからないのだろう。ティアナは割りきって事務的に返す事を決めていた。


「とりあえず、体調は大丈夫?どこか苦しい所とかない?」


 ティアナの問いかけに、一瞬身を竦ませるが、すぐに首を横に振る。それはつまり、ティアナの懸念は問題無い、という事。つまり体調に問題は無いという事はわかった。
 さて、次にどうするか、とティアナは考えて…何も浮かばず、沈黙してしまう。必死に何かを考えようとするのだが、何を話せば良いのかわからない。
 それは表情となって現れる。明らかに悩んだ表情を浮かべ、目を細める。


 するとだ。ぽん、と音が似合うように、少女の手がティアナの頭を撫でた。


「…え?」


 思わず、呆気取られたような表情をするティアナ。少女はというと、ティアナのその表情に、小動物が大型の動物に睨まれたように身を竦ませるが、すぐに、ティアナの頭を優しく撫でる。それから、表情を眉を寄せるような表情をしてから、首を横に振った。
 しばし、ティアナは呆然としてから、これは、彼女からの何かのサインなのだと考え、何を伝えたいのかを考える。
 まず、彼女は頭を撫でた。次に、眉を寄せるような表情をしてから、それに首を振った。
 つまり、こういう事だろうか?自分の顔が、先ほど少女がしたように眉が寄っていて、何かを悩んでいると察したこの少女は、自分にそんな顔をするな、と言いたかったのだろうか。


「…悩むな、って言いたいの?」


 ティアナの問いかけに、少女はやや、躊躇するように頷いた。それから、上目遣いでティアナの方を怯えたように見てくる。それを見て、そんなに怖い顔をしているのか、とティアナはやや、ショックを受けた。
 だが、少女のそんな様子を見ていると、会話を探して悩んでいた自分がバカみたいに思えてきた。


(まったく、こんな子供にまで心配されるとはね)


 自分に呆れ、思わず片手で顔を覆う。それから深い溜息を吐いてから、そっと、手を少女の方へと伸ばした。
 何をされるのか、と思ったのか、少女がそれに身を震わせて、明らかに怯えを見せた。小刻みに震えるその様はまるで、小動物その物だ。そうなると、自分はその小動物を喰らう捕食者だろうか。


「ったく…何もしないわよ。怖い顔して悪かったわね」


 多少の苛立ちを込めて、やや少女の頭を強く撫でてやる。ティアナの手の動きに合わせて少女の頭もよく回る。困ったような顔をして、少女が嫌がる様子を見せたので、ティアナは力を緩めて、軽く2度ほど、少女の頭を優しく叩くように撫でる。


「ありがと。心配してくれて」


 ティアナの御礼の言葉に、少女が心底心外だったのか、目を見開かせて驚いている。それから、何度かティアナの機嫌を伺うような視線を向けてから、笑みを浮かべて、上半身を折り曲げ頭を下げた。何度か頭を下げられ、ティアナはもう良い、と言うように少女の頭を軽く撫でた。
 それに、少女が気持ちよさそうに目を細める。その目を細めて笑う顔に、ティアナはどこかで見たような、と思い、脳裏にそのイメージと近しい物を思い浮かべて、思い出そうとする。


「…あ」


 暫し、考え込んだ後、脳裏に浮かんだその人物に、ティアナは思わず、納得、と心の中で呟いた。


「アンタ、スバルに似てるわね」
「?」


 少女は聞き慣れない名に首を傾げる。ティアナの方は自身のもやもやした感覚が解消された事で、気持ちが晴れ晴れとしていた。
 この少女の笑い方が、どことなくかつての相棒と似ているというのを思い出して、ティアナはようやく肩の力を抜く事が出来た。
 ようは、スバルと似たような対応をすれば良いわけだ。そうすれば気負う事など無いのだ。


「アンタね。私の知り合いのスバルって奴に似てるの。スバルについて聞く?」 
「……」


 少女はティアナの問いに、縦に首を振った。それを確認すれば、ティアナはスバルについて語り出す。かつての相棒であった友の事を…。







+++++++




 一方、ミッドチルダの首都、クラナガンにて…。
 その街の中、一人の少女がぺろり、と舌をなめずりしていた。それは獲物を狙う狩人のような仕草。少女の容姿から似合わない仕草。
 その少女の視線の先には、一人の少女が映し出された写真が一枚。茶色のサイドポニーの女性に抱かれ、眩しいまでの笑みを浮かべている金髪にオッドアイの少女。


「高町ヴィヴィオ……みぃつけた」


 視線が写真から映され、街中へと。街中の人混みの中。その少女の視線が捕らえたのは、写真の少女だ。その少女は、写真に写っていた女性とは、また違う女性と手を繋ぎながら、笑みを浮かべて歩いている。その風景は親子にも見える。
 そして、それを見つめる少女は、獰猛な笑みを浮かべる。その獰猛な笑みを浮かべる少女の胸元には、漆黒の宝玉が不気味に煌めきを帯びていた…。
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