次回キリ番リクエスト30000!! 更新報告:12月15日 朧月の契り 第2章14 日記 を更新。
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■■■朧月の契り 第2章 06
2010/11/16 Tue朧月の契り
 自覚していた。誰よりも、何よりも、壊れていると。間違っていると。こんなのが人としての幸福なのだと誰が認めよう。認められる訳がない。
 破滅を良しとした。絶望を良しとした。嘆き、苦しみ、悲しむ。その全ても良しとした。しかして、破滅を否定し、絶望を拭い、嘆きを止め、苦しみを廃し、悲しみさえ射止める。
 その為に矛盾した行動を繰り返す。それを心の底で認めようとも、認めるが故にそれを否定する為に走る。正にそれこそ矛盾。誰よりもそれを肯定するのに、誰よりもそれを否定する。
 誰よりも彼女は高潔だった。だが誰よりも彼女は穢れていた。崇高なる願いの為に、醜悪なる現実がある事を良しとした。
 彼女は生粋なる正義にして、純粋なる悪だった。彼女は正義を名乗る。だけど、彼女自身がそれを愚かしいと誰よりも理解している。
 それを理解しているからこそ――この身も、心も、どこまでも壊れてゆける。故にその身は人じゃなくなっていく。…ならば、この身は何なのだろうか。…そう、この身にはいつだって鉄を打つ音が響いている―――。





 * * *





 何となく、予感はしていた。
 何気なしに歩くいつもの帰り道。そのいつも通りの日常を変わる切欠は、唐突にやってきた。前触れもなく、何の予感もなしに風が吹くかの如く俺の前に現れた。その姿を見たとき、言いようのない感情が零れた。
 正直、不思議、としか言いようのない感覚だ。それが何なのかは、感じている今でさえわからない。言葉にするのが難しい。いいや、元よりそんな言葉が俺には無いような気さえしている。酷く言うと、それが俺には許されないなんて思ってしまう程だ。
 だけど、振り払うにはそれはとても暖かくて、不思議と振り払う事も出来ない。かといって近寄る事も出来ない。理解が出来ないものなど怖いだけの筈なのに、怖いと感じない。ただ、不思議なだけで、奇妙で、でも、それが嫌じゃない。
 予感があった。彼女は俺を変える大きな切欠になると。漠然と、俺、衛宮 士郎はそう感じていたのだ。


「とまぁ、そんな訳でこれから同居人としてよろしくね、士郎君」


 そう、親父、俺、新しい同居人を得たよ―――。





「―――って、なんでさーーーーーーっっ!?!?」





 * * *





 目の前で大声で叫ぶのは衛宮 士郎。その声の大きさにカナデ、イリヤ、セラ、リズの皆が耳を塞いでいる。だが、カナデを除いたイリヤ達はどちらかと言えば耳を痛めたが故に押さえている、といった様子だ。それに対して飄々としているのがカナデだ。


「なんでさ、って言われても…私たち身寄りがなくなったから切嗣を頼りにここに来たんだ、って」
「それで、ここに住む、って?」
「だって、じゃないと私たち住む家もないし。私はそもそも家族なんていないし、イリヤ達は実家のトラブルで勘当されたようなもので、本当に身寄りがないのよ」


 わかるかしら? と人差し指をぴん、と立ててカナデは言う。それに士郎はただ狼狽するばかりだ。イリヤ達もまったく預かりの知らぬ所で、よくわからぬまま話が進んでいる事に唖然とするばかりだ。


「でも、だからって、そんな、急に―――」
「わかってる。士郎君が狼狽するぐらい、これはいきなりな話で、かなり迷惑で、しかも急に決められる話でもない。けれど、一時的に、という事だけでも良い。だからこの家に住まわせて欲しい。その分のお礼は何が何でも返す。食費の問題とかも含めて、勿論、同居するんだからその分の代価だって払う」


 それに、と。


「…切嗣の住んでいた家なんだ。だったら、それを少しでも感じたい」
「―――」


 感慨深げに言うカナデの表情に、士郎は呻いてしまった。そんな表情をされたら断れる訳ない、と。しかも放っておくことの出来ない状態なのは確かならしい。そんな状況で、父親の縁を頼りにここまで来た彼女たちを放り出す事なんて出来やしない。


「…わかりました。一時的になるにせよ、これからもしかしたら同居するにしても…切嗣を頼ってきた貴方達を放り出す事なんて出来ませんから」
「――だってさ、良かったね、イリヤ」
「ぇ?」


 士郎の返答に、先ほどまで感慨深げだったその表情は一転して笑みに代わり、イリヤへと声をかけた。それにいきなり話を振られたイリヤは戸惑いの声をあげた。何が何なのかわからぬまま、とんとん拍子で話しが進んでいた訳なのだが…。


「ちょ、ちょっと待って! 私はそんなの了承してない!!」
「え? でも行く当てないでしょ? だったらここにいるぐらいしかないじゃない」
「そんな状況にしたのは―――」
「はいはい、照れ隠しはそこまでー」


 カナデでしょ、と訴えようとした口をカナデに塞がれる。そのままカナデはイリヤを抱きかかえるようにして耳元に口を近づけて。


「――ごめん」


 と。それは縋るような声でカナデはそう言った。後ろから抱きかかえられるようにしているイリヤにはカナデの表情が見えない。だがその声が―――怒られる事に怯えている子供のように聞こえたのは、気のせいだったのだろうか。





 * * *





 その後は、色々と大変だった、と士郎は思い返す。
 衛宮 士郎は確かに一人暮らしではあるものの、保護者というべき女性と、通い妻の如く家に通ってくる後輩の少女がいる。いつも通りの日常に紛れ込んだ、イリヤ達という異物に…。


「って、誰なのこの人達ぃぃぃいいいーーーーーっっ!!!!」


 と、保護者の女性、藤村 大河にその虎の名の如く吼えられ。


「…先輩…?」


 と、戸惑いと不審と不安を混ぜ込んだ表情でこちらを縋るように見てきた後輩、間桐 桜の視線にノックアウトされてしまった。
 その事情の説明と納得を得るために夕食は豪勢なものとなり、異常の元であるカナデからの説明で大河の納得は得られる事は出来た。桜も納得はしてくれていたようだったが、どこか不安そうな顔は消えなかった。
 そんな事を思い返しながら、深夜の時刻が迫り来る中、俺は土蔵にいた。これは例えどんな異常があったとしても投げ出してはいけない事。いつもの繰り返し、理想の為の追求。その為の鍛錬――。


「――同調開始(トレース・オン)

 それは己を変革させる為の言霊。自らを文字通り作り替える。本来は人の体にはあり得ない神経を作り上げていく。言い表すならばその感覚は熱した鉄の棒を背中に埋め込むような感覚。 
 それに屈してはならない。それに悲鳴をあげてはならない。その苦痛に屈する時こそが、この魔術の失敗となる。魔術とは常に己との戦いだ。この程度の苦痛で負けていては話にならない。これは自分で課したものならば、それにだけは負けてはいけない。


「基本骨子、解明」


 そして施すのは、己が唯一為し得る魔術。


「構成物質、解明」


 手にあるのは一本の鉄パイプ。なんの変哲もない鉄パイプ。読み取れる情報からも確かにそれは伝わってくる。その構造を一から十、把握しきってみせる。


「基本骨子、変更」


 この構造に沿い、魔力を通して鉄パイプを強化する。より堅く、より固く、より硬く。
 その構造を把握し、空いている隙間に魔力を通す。本来、自分以外の魔力を通すという事は対象にとって毒物を混ぜ込む行為に等しい。だから、その毒物が薬剤となるように調整し、強化を施す。


「構成物質、補強。―――、ぐ、ぅっ―――!?」


 だが、それも無意味に終わる。通した魔力は霧散し、消えていく。鉄パイプには何の変化もなく、ようやく得られた魔術回路も消え失せ、ただ残るのは無意味な疲労感だけだ。


「…あぁ、くそ、失敗だ…」


 はぁ、と荒い息に混ぜてため息を吐き出す。目標は遙か遠く、現状ではまるで夢の彼方。人の手が月を掴めないように、衛宮 士郎は自らの理想に届く術を知らない。ただ、藻掻き、足掻き、それでも手を伸ばし続けるより他ならない。
 衛宮 士郎。それが己の名。されどこの名は生まれ持った名ではない。士郎、という名は変わらない。だが自分はかつて■■ 士郎だった。最早、思い出せない過去。思い出せない記憶。
 衛宮 士郎の始まりは死から始まる。この身は地獄から生まれた。…もう10年前の事だ。士郎は何の変哲もない少年だった。だが、そんな少年は唐突に地獄へと叩き落とされた。
 大きな火災だった。原因は今でもわからない。ただわかるのはそこが紛れもない地獄だったという事だけ。、目の前で建物が焼け、目の前で人であったものが息絶えていく。次々と、崩壊し、壊れ、砕け、死んで、朽ちて、燃えて、意味もなく全てが消え去っていく。
 そんな中を一人で彷徨う。死にたくないから彷徨った。だが、その道中で彼の心は死んだ。それが■■ 士郎の最期にして衛宮 士郎の発端。彼と同じように息があったものを彼は全て振り払い、見捨てて、ただ自分だけが生き残った。
 その時に彼をすくい上げたのは一人の男。自分を救いあげたのは一人の男。その名を衛宮 切嗣。士郎を救った彼は、魔法使いだった。
 正確に言えば魔術師だった。その当時、士郎はその違いがどんな意味を持つのかわからなかったし、わかった所で何も思わなかっただろう。ただ、衛宮士郎が思ったのは憧れだった。自分を救ってくれたその姿は、何も救えなかった自分にとって憧れだった。
 だから、憧れを追っている。そう、自分は彼のようになるのだ、と。彼のように、自分は―――。


「――正義の味方になる、か」


 かつて切嗣が語った理想。でも、彼が諦めてしまったもの。正義の味方には年齢制限があって、もう彼はそれを名乗れないのだと切嗣は言った。その顔があまりにも寂しそうだから、こう思ったのだ。
 なら、自分が引き継ごう、と。代わりに自分が正義の味方になるのだ。彼がなりたくて、なれなかった姿。その姿は自分が憧れたものだ。あの救われない火災の中で見捨てた者を救えるような、そんな人になりたかった。
 その道を目指して走って、この様だ。衛宮 士郎に魔術の才能は無く、たった一つ出来る事も半端な半人前。未熟者。理想と懸け離れた愚かなまでに哀れな存在。


「…はぁ」


 吐き出した溜息は落胆のもの。追っている理想は遙か遠く、追いかけているのに得たいものは全然、届く気配もない。どこまで走ればよい? 妥協はない。どこまで続く? 答えはない。それに屈する事も出来ないが、成果がないのは、心に毒だ。


「―――不様、という他ないね」


 その時、変化の切欠を予想していた声が、唄うかのように聞こえた。
 あまりの出来事に咄嗟の反応が出来なかった。夜の空に浮かぶのは月。そこに立つのは月光を受ける一人の乙女。色の抜けた白は月の光を吸い込むかのように銀色に。その幻想的な姿に、ただ、視線を奪われるのみ。
 見られた、という事に対して慌てるべきなのに。それを隠さなければいけない、と動くべきなのに。この体は射すくめられたように動かない。


「…カナデ、さん」


 名を呼べば、彼女は笑った。微笑みだった。だが、その微笑みは―――あまりにも透明で。まるで吸い込まれてしまいそうな錯覚。それに吸い込まれても良いという奇妙な誘惑。あれはあまりにも己にとって心地よいという甘い、甘い―――。


「――ふむ」
「――ッ!?」


 香りがする。ふんわりとした香り。それが眼前にある事に気づいて飛び退いた。心臓の動悸が速い。それは女性が自分と吐息がかかるぐらいまで近づいていたという驚きもあったが、そのまま気づかなければ、いいや、必死にそれから逃れようとしなければ触れてしまっても良いと思ってしまった自分がいた。
 何を考えている、とくらくらする頭で士郎は思考を回す。けれど何の答えも返らなければ、そもそも考えている事事態もまともじゃない。そう、ただ情報だけが脳の中をぐるぐると駆けめぐっているだけで。
 ただ、わかるのは。それが酷く心地よいものだと言う予感と、それを受け入れてしまってはいけないという自戒が繰り返されている。


「ん、そっか。刺激が強かったかな? 士郎君」
「な、ななな、なっ!?」
「ごめんね。うん、でも仕様がない。私と、君だから」


 と。彼女はまるで華が咲くように笑った。その事実が心底嬉しそうに。本当に幸せそうに笑って、思わず呆気取られる程だ。だが、何故だろうか。不思議と、すとん、と。それが正しい事なのだと、思ってしまった。


「しかし、君は自殺願望でもあるのかな? いや、魔術師たるもの自らの死は常に覚悟していなきゃいけないもんだけど…これは流石に自虐のレベルを超えてるでしょ?」
「魔術師…って、カナデさん、貴方は―――」
「――そう、お仲間、って事だね。士郎君」


 笑ったまま、彼女は告げた。自らと同類、つまり彼女もまた魔術師なのだ、と。


「…じゃあ、イリヤ達も」
「――そうだよ」


 いつの間にか、そこに立っていた少女は―――冬の寒さに匹敵するほどまでの凍えた視線でこちらを見ていた。
 ぞっ、とする。士郎のイリヤに対する印象は静かな少女、という事だった。こちらを気にするようには見てくるものの、決して意志を交わそうとしない。理解などしない。理解など求めていない、と拒絶されているかのようで。
 それが、錯覚ではなく実感として感じた。イリヤスフィールという少女は衛宮士郎という存在を拒絶していると。実感してしまったのだ。僅かに向けられていたその感情が敵意だと言う名だとようやくここで実感した。


「――イリヤ」
「…いい加減、どういうつもりか話して貰うわよ。カナデ。――何が目的?」


 そして士郎は気づく。敵意を向けているのはどうやら女性にもらしい。共にいて、少なくとも姉妹のような見えた二人がいまとなってはまるで赤の他人のよう。…いや、それは的確ではない。温度差が酷くて二人を上手く言い表せない。
 イリヤは、睨んでいる。敵意と、怒りと、憎しみを以てして。だけど、それを受け止めているカナデは逆に、愛おしげにイリヤを見ている。だからちぐはぐで、上手い表現が出てこない。
 よくわからないが――イリヤにとってこの状況が不本意なのは理解した。同時に、その原因が士郎自身であり、そしてカナデだと言うことを士郎はすぐさま理解する。


「貴方、一体何のつもりなの? いい加減、その正体も含めて全部話して貰うわ。令呪を使ってでも、今日、ここで全部明かして貰うわ。――カナデ、貴方、全部知ってたんじゃないの?」


 それは虚偽を許さない、と。イリヤは忌々しいと言わんばかりの表情でカナデを見つめた。状況も、事情も完全に理解しえない士郎はただ二人の睨み合いを傍観する事しか出来ない。


「――そうだね。知ってたよ。イリヤの望みが叶わない、なんて事は」
「――ッ、そう…! やっぱり、貴方、切嗣の縁者だったのねっ!!!!」


 吹き上がるのは憎悪の感情だった。苛立ちと、悲哀と、憤怒と、その全てを混ぜ込んだ憎悪の色は少女には似合わない。だが、似合う、似合わないの問題ではない。その殺意は視線だけで殺せる、と言わんばかりの圧力が込められている。
 それを受け止めるカナデは変わらない態度だ。


「…うーん、まぁ、関係で言えば、完全にゼロ、って訳じゃないけどね? 直接的な繋がりはないよ? 面識もなければ顔を見たことも、声も聞いたこともないからね」
「…でも、知ってたんでしょ…!!」
「そうだね。うん、否定はしない。でも確証がなかった。だから言わなかった。知らないも同然だもの」
「―――ッ!!!!」


 それは、裏切られた、と絶望する表情にも似て、でもそれはすぐさま鬼気とした殺気へと変わる。訳がわからない、故に士郎は傍観するだけだ。だが、それだけではいけないと。何故ならば――そこに関わっているのが切嗣であり、そして自分なのだから。


「ちょ、ちょっと待ってくれ! 二人とも、落ち着いてくれ!! 何がどうなってるのかさっぱりだ!! 親父がどうしたってんだ!?」
「どうもこうも。簡単な話。君のお父さんは――イリヤにとって殺したい程、憎い相手だって事だけだ」


 言われた意味が理解が出来ない。ただの言葉の羅列だ。カナデが告げた言葉を士郎は理解が出来ない。どうして? という疑問も沸いてこない。ただその事実を認識出来ない。なのに。


「―――っ」


 イリヤの表情を見て、納得してしまった。歯を砕かんばかりに噛みしめ、敵を睨むようにこちらを睨んでくる。切嗣が、彼女にとって良くない相手だというのは嫌というばかりに理解した。
 だから、それが何故なのか、衛宮 士郎には問わなければならなかった。切嗣に拾われ、彼を父と慕い、理想としてきた彼が何故恨まれなければならないのか。それは何かの間違いなのではないか、と。


「――貴方は、何も知らないのね」


 それは、憎悪の声だった。少女の声とは思えぬ程、凍えた声。


「…あは、お互い滑稽ね? 何も知らないで憎んでた私と、何も知らないで生きてる貴方と。…馬鹿みたいに、同じね」


 あはは、と笑う少女は、笑っているのに笑っていない。笑っているならばそこにあるのは喜びの色はない。ただ瞑い瞑い色の感情しか見えない。憎しみ、悲しみ、怒り、何を詰め込めばそんな色になるのか、と問いたくなるぐらいの深い闇の色。
 それは士郎を嘲笑っているようにも見えるし、同時にイリヤが自分自身を嘲笑っているかのようにも見える。正しくてそれは真実。彼女は嘲笑っているのだ。己と、自分と。余りにも良く似ていて、けれど正反対な自分たちを。


「おかしいわ! ちぐはぐじゃない!! 何もかも、笑ってしまえるぐらいにちぐはぐじゃない!!」


 叫ぶ。それは血を吐き出すような叫び。いや、血なんて生ぬるいものじゃない。それはもっと濃いものだ。血よりも濃く、そして血よりも赤い、いや、赤を通り越して黒い、黒いもの。
 少女は笑う。壊れたように笑う。壊れたから笑っているのか。笑いながら壊れていくのか。どちらにせよ、壊れていく。信じていたもの、築き上げていたもの、その全てを奪われていくその様は見るに堪えない。
 だが、だからといって衛宮 士郎に何が出来る。事情も知らなければ、少女の思いもわからない。だから救う術などない。けれど放っておく事が出来ない。ならば何かしなければならない。そうは思っていても、やはり、彼には何も出来ない。だから…。


「…君はなんで親父を憎むんだ…?」


 だから、問うしか出来ない。知れば何か出来るかもしれない。だから知る事を望む。何が出来るのかわからないなら、それを探す為に、今は答えを。
 その声に、壊れたように笑っていたイリヤは士郎へと顔を向けた。もう、どうでも良いと言わんばかりに力ない笑みを浮かべて。


「――私を、捨てたからよ。私の、お父さんは」


 ――その事実を、冷淡に述べた。





 
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